シリーズが2つ終わりましたので、織田信長のシリーズを始め
もうひとつ、新しいシリーズを始めることにしましょう
実はずいぶん前に「まいまいつぶろ」という小説を読みました
徳川9代将軍、家重についての小説です
家重についてはこちらも読んでね
言語障害、9代家重は女性?
家重については15代将軍の中でも特別の思い入れのある将軍
小説の広告を新聞で見たとき驚きました
えっ、家重を小説に
そんなことしていいの
ほんとにできるの?
家重は障害を持った将軍です
言語不明瞭で、何を言っているかさっぱり聞き取れない
手がほぼ動かないため字もかけないのでコミュニケーションが全く取れない
頻尿が激しくしまりが悪い
歩いたあとには、尿を引きずったあとが残り
陰で「まいまいつぶろ(カタツムリ)」とさげすまれていた将軍
小説は幕府の重臣、滝の井が、大岡忠相(ただすけ)を呼び出したところの会話から始まります
大岡越前ですね
家重がまだ将軍ではない14歳の時になります
なんと、長福丸様の言葉が聞き取れる少年が表れました
(長福丸は後の家重の幼名です。ややこしいのでこのあと「家重」として話を進めます)
忠相様の遠い親戚の大岡兵庫と申すもの
(後の大岡忠光。こちらもややこしいので、このあと「忠光」として話を進めます)
小姓として取り立てたいと思います
まことか。にわかに信じられないのだが
忠光は当時家重より2つ年上の16歳
身分はそれほど高くないので、次期将軍の家重に拝謁できたということ自体珍しいのだが
御目見得の場に呼ばれた旗本の子供たちの中に忠光がいた
家重はその場が耐えがたく、立ち去ろうとした
そこに、忠光がつぶやいた
将棋がお好きなのでございますか
驚いたのは、家重
忠光の方に向かって何やら口を動かす
もちろんでございます。何ゆえそのようにお尋ねでございましょうか
自分の言葉を分かってくれる人がいようとは
家重は思ってもいなかったので夢を見ているよう
家重の特別な事情は外部には伝えられていないので
忠光とすれば、何を驚かれているのかが分からない
次期将軍相手に自分のようなものがつい声をかけてしまったことが
わざわっているのだろうと、後悔しきりだった
家重は動転して一旦部屋をあとにしたが
頭を整理し直して、部屋に戻る
あの者を何としても側におかねばならぬ
そうすれば、あの者を介して、言葉が通じる
忠光のところに戻って告げた
本当にわしの言葉が分かるのだな
今から申す言葉をそのまま、あの奏者番に伝えよ
そうすれば、そなたにもう一度会うことができる
わし自身が、そなたをわしの小姓に取り立てる
奏者番は松平能登守乗賢と申し、去年の三月から若年寄を務めておる。美濃国岩村藩二万石の主じゃ
旗本の子供ごときに知り得ない情報を、よどみなくつらつらと言い当てられ
奏者番は本当の出来事なのだと悟る
次回から、家重と忠光の物語が始まります