河村瑞賢(かわむらずいけん)の伝記小説「江戸を造った男」を読みました

河村瑞賢は江戸時代の商人で大成功をおさめ、
1代にして巨額の富を築いた紀伊国屋文左衛門のような豪商イメージだったのですが、
全く違っておりました
人生も考え方もとても面白かったので、シリーズにして紹介していきたいと思います
江戸へ
元和4(1618)年、伊勢国で生まれる
活躍するのは、江戸時代が武断政治から文治政治へ変わっていく、
将軍でいうと4代家綱から5代綱吉にかけてになる
小説では、ほぼ河村瑞賢(ずいけん)を名乗る前の七兵衛(しちべえ)で書かれているので
ブログでも七兵衛として書いていきます
13歳になった七兵衛は、江戸への憧れを日増しに強くする
江戸で口入屋(くちいれや)を営んでいる五郎八がやってくる
口入屋とは、今で言う人材紹介業です
父から
そなたは、以前から青雲の志を抱き、いつか江戸に出たいと申していたな
江戸へ行ってみるか
えっ、良いんですか
ただし、行くからには帰ってきてはならぬ
家督も弟に譲る前提だ
はい。もちろんです
では、五郎八殿が明日江戸へ発つ。一緒に行け
えっ、明日なんですか
家督相続放棄の念書も書く
この家とも縁が切れるのだと思うと実感が迫ってくる
寛永7(1630)年8月、七兵衛は人生の第一歩を歩み出した
江戸で
着替えの入った風呂敷一つを抱えた七兵衛は、
口入屋五郎八と共に菱垣廻船に乗って江戸に着いた
五郎八は「商用で人に会ってから店に帰る」と言い、
七兵衛を一人で浅草まで行かせた。
何とか人に聞きながら店に着く
番頭らしき人に事情を話すと、
上がり框(がまち)に腰掛けて待っていろと告げられた
いつまで経っても五郎八は帰ってこない
日が暮れて腹も減ってきたが、そのまま一刻(約二時間)ばかりじっとしていた。
誰からも声をかけられない
ようやく帰ってきた五郎八は酔っているらしく、足元が覚束ない
五郎八殿
おう、ここで何をしていた
番頭さんに『ここで待っていろ』と言われたので座っていました
どれくらい座っていた
一刻ほどです
馬鹿野郎!
突然、げんこつが落ちてきた。
それだけ時間があれば、店の掃除やら片付けやら、何か仕事ができるだろう
誰からも何も命じられなかったのです
いいか
江戸ではな、ぼうっとしている奴は置いていかれるだけだ。
命じられることだけしていたら、年を取っても下働きのままだ。
頭角を現したかったら、今、自分が何をすべきかを常に考えていろ
江戸での日々が始まった。
誰に何を言われずとも、誰よりも早く起き出し、店の周囲に水を打って掃き清める。
表口や土間も箒の跡が残るほど掃いた。
番頭や別の小僧が起きてくると、何をやるべきか率先して問うた。
それにより、徐々に朝の仕事が分かってきた。
また、問わなければ誰も仕事を教えてくれないことも知った。
七兵衛は誰よりも積極的に仕事を探し、身を粉にして働いた。
出入りしている定雇いの「頭」たちとも打ち解け、仕事内容も教えてもらえるようになった。
そんな日々が続き、次第に頭角を現した七兵衛は五郎八の覚えもめでたく、
寛永12(1635)年には、18歳で頭の一人に抜擢された
ここまでは順調に思えたが
五郎八が何者かに殺されるという事件が起きた
店は他の口入屋に買い取られることになる
元の五郎八のメンバーは全て冷遇され
次々とやめていき
七兵衛も辞めることになった
この続きはシリーズの次回ね