藤原忠平、小倉山~、えーっ見てないの?

小倉山 峰のもみじ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ

小倉山よ峰のもみじ葉よ
あなたに心が有るのなら
もう少しだけ、次の行幸(みゆき)まで、
散るのを待っていてくれまいか

藤原忠平
百人一首では、貞信公となっています。
藤原忠平の事です。
3番目の摂政関白、超大物です。
お兄さんが藤原時平。
あの菅原道真を陥れた時平です。

走攻守3拍子揃ったイチローのように
3拍子揃ったスーパースター
朱雀(すざく)天皇は、美貌が過ぎる
藤原時平は、知恵が過ぎる
菅原道真(みちざね)は、才能が過ぎる
忠平は、ちょうど良い加減で、3拍子揃っている
と言われ、宇多上皇、醍醐(だいご)天皇に可愛がられます。

時平の弟ということで菅原道真と敵対していると思いきや、
太宰府に手紙を送って、激励したりもしている。

時平が39歳で亡くなったので、後をついで権勢を振るうようになる。
菅原道真の呪いで死んじゃったんですね。
醍醐天皇も続いて死んじゃいます。
これも呪いでしたね。
仕方なく、朱雀天皇が若くして天皇になったため、摂政。
その後、関白も。

どういう歌か
宇多上皇が京都市の北西にある右京区嵯峨の小倉山を旅をした後のこと。

宇多上皇ともみじと言えば、菅原道真の、このたびは~、もそうでしたね。
宇多上皇はもみじファンなんですね。

宇多上皇が忠平に言った。

つい先程行った小倉山なんだけど
見事な紅葉だったよ。

ほう、それはまた、よろしゅうございましたね。

あんなに素晴らしい紅葉は
是非とも息子の醍醐にも見せてやりたいもんだよ。

さようですね。
それでは、私の方から申し上げておきましょう。

って事で
さらさらさらっと歌をしたため
醍醐天皇に手紙を送った。

もみじさんよ
醍醐天皇が行かれるまで待ってておくれ。

ちなみに、上皇がおでましになるときは御幸、天皇なら行幸
どちらもみゆきと読む。

すごいと思いません?

私の方から言っときます、と言ったら
普通は、これこれこうで、素晴らしいので
是非行かれたらどうですか
と要件を伝えますよね。

風流っちゅうか、
その時代の3拍子揃ったスーパースターは
表現の仕方が根本的に違いますね。

もみじさんに語りかける歌を手紙で送るだけ。
しかも、単に聞いただけで、自分は行っていない。

受け取った、醍醐天皇も察するんでしょうね。
ほな、もみじさん待たしても悪いから
行ってきまひょか。

もし今なら
はぁ? 何言いたいねん、このおっさん。
迷惑メールか!

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