売れたのか、売れなかったのか

ノンプログラミングのSグリッドをみんなで売ろうってとこまで話しましたね。

給料
給料は、遅れてはいたが2ヵ月ほど、何とか出た。

ある意味、時間稼ぎが出来たことになる。

色んな意味で追い詰められる
急がなければ。

日に日に
お客さんの電話が日に日に厳しくなっていく。

はい
と言ったっきり、何もしない訳だから。

そして、やっぱり一番きついのはカミさん。
当然ですね。
分かってます。

今月は、いつになったら給料出るのよ。
早く、次探しなさいよ。

大丈夫。
次探してるから。

半分嘘で、半分本当。

みんな
みんな、すごかった。
鬼気迫るものがあった。

正直言うと、ノンプログラミングの細かいところなんて分かっていない。

でも、愛してくれた。
この商品を。
何だか訳の分からない、この商品を。

世の中になくちゃならないもんなんだって、信じて。
プログラムを作らないことこそが正しい道なんだと
その考え方に惚れ込んでくれた。

ずっと一人でやって来た。
土日にコツコツと一人で組んできた。
何年も何年も。

でも、初めて、仲間が出来た。
同志だった。

この時の事は一生忘れることがないだろう。

やっと、電話のアポがとれて
浅草橋にある会社だったなあ
やまちゃんと一緒にノートパソコン持っていった。
一生懸命、デモをした。
何故、これが必要なのか
その考え方も語った。

面白いじゃない。

でも、こんなのあると
うちのメンバー、プログラムますます組めなくなっちゃうよ。

社長
対立している相手だけど
普通に考えると敵なんだけど
考えないようにした。

誰も社長のことを口にしなかった。
口にすると辛かったから。

社長は社長で、最後の命を振り絞って
金策に走り回っていたのかもしれない。
返す当てのない借金。

もう
みんなには、もう分かってしまった。
これ以上は無理だ。
全く、生活が出来ない。

これが、テレビドラマだったら
一発逆転が用意されている。

でも、生身の
そのままの現実だった。

解散会
会社の近くの飲み屋さんに集まった。

解散会。
明日からは、100%就職活動だ。

お疲れ様。
カンパーイ。

ダメだ。
これ書きながら
思い出して涙が出てきた。

やまちゃんが

振り絞るように
振り絞るように言った。

ひとつ

ひとつ売りたかったぁ

そして、
震えて

泣いた。

男4人が、
飲み屋で、泣いた。

一番若いシステムの新人は
俺が社長やるから
会社をやらないか、って
そこまで言ってくれた。

いくらなんでも、って
説得したけど。

誇りに思う。
彼らと出会えたことを。

結果なんて、どうでも良い。

彼らと同じ目標を持てた
あの短い期間を
誇りに思う。

この会社に入って

良かった。

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