江戸のおばけは、こう楽しむ

江戸の文化をいくつか紹介しましたが、今日は怪談です。

百物語
仲間内で、怪談会が催されます。
ぜひみなさんも、以下のような手順でやってみてください。

3つ部屋が繋がった家に7~8人で集まります。
その3つの部屋からは全ての刃物をのけておいて下さい。

端の部屋に丸くなって座ります。
その部屋は何の灯りもつけません。真っ暗です。
真ん中の部屋も真っ暗にします。

残りの部屋に灯りを準備します。
大きなお皿に油を入れます。
100本の灯芯を放射状に並べ全てに火を付けます。
そして、その部屋には手鏡をひとつ置いておきます。

はじめ
順番に一人ずつこわい話をします。
話し終えた人は、戸を開けて閉めてとなりの部屋へ
真っ暗な部屋を手探りで進み、戸を開けて閉めてとなりの部屋へ
ここで、ひとつの灯りを消します。
置いてある手鏡で、自分の顔があることを確認します。

戸を開けて閉めて、戸を開けて閉めて、部屋に戻ります

これを100回繰り返すのですが
百回終わった段階で本当のお化けが出ます。

ほとんど、安全策をとって、99でやめたそうです。

さあ、ぜひ

置いてけ堀
番町皿屋敷やろくろ首のような、まとまった話が浸透していくのは
江戸も後期になってからで
それまでは、ちょっとした不思議な話というのが多い
一番有名なのは、置いてけ堀でしょうか

釣り人が釣りを終えて、さあ帰ろうかとした時に
川の中から何やら声が

おいてけ~ おいてけ~

こわくなって、釣った魚をその場に置いて帰る

というそれだけの話なんですが、
おそらく江戸の人なら全員知っている超有名な話。

送り提灯、は
歩く先を小さな灯りをチラチラするというもの

狸ばやし、は
人家のない原っぱで祭り囃しが聞こえる

片葉の葦、は
片っぽだけにしか葉がついていない葦
えっ、それなんにもこわくないけど。
そんなのもないと100個いかないので、数合わせですね

面白いのが、足洗い屋敷
いきなり天井からでっかくて汚れた、毛むくじゃらの大足が現れる
丁寧に洗ってあげると消えてなくなる
最初見た人はびっくりしたでしょうね
これ、一番嫌かも

河童
ところで、怪談と言えば思い出す話が有ります。
以前、怪談話で有名な稲川淳二さんがラジオで話していた

怪談って実は、調べていくと背景や、理由があるものが多い。
河童は典型的な例なんだそう。

昔は赤ん坊が生まれても、色んな事情で育てられない場合がある。
口減らしかも知れないし
ひょっとすると、障害をもって産まれてきたっていうのもあるかも知れない。
なくなく、手をかけ、川に流す。

そうすると、どこかの川底に、流れきらずに残っているかも知れない。
そういう時に、河童の話を作り出す。

子供達が川遊びをしていて、見つけてしまうかも知れないから
あらかじめ話を作って、子供達に言い聞かせておく。
あの川には河童が住んでいるから近づくな

河の童って、本当に子供だったんです。

大人達はみんな分かっていて
そういう話を誰かが言い出すと
ああ、そういうことなんだ、と、敢えて追求せず
自分の子供にも言い聞かせる。

ひょっとすると
どうしても、手をかけざるを得なくなった子供に
河の中で、河童となって生きていって欲しいという
叶わぬ親の願いが産み出した産物かも知れません。

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