仏像の見分け方。薬師如来。

前回、阿弥陀如来の話をしました。

薬師如来
歴史的に言うと薬師如来は阿弥陀如来より前

もともと薬師如来は、何担当って訳ではなかったけど
阿弥陀如来が来世の極楽浄土っていう色彩を強くするので
薬師如来としては、来世の話をあまり言っていないので
現世でのご利益という役割担当のイメージが強くなる

大願(誓い)としては12個
みんなの病苦や心の病を治し、寿命を延ばし、苦悩を取り除いて成仏させる。

人気
当初、病苦を治してくれる訳だから大人気。
古代は医学が発達していないから、病気にかかったら
治す方法は、拝む事しかなかった。

人気が衰えるってことはないんだけど

来世を強調する阿弥陀如来に人気面で抜かれた感が否めない。

とても不思議です。
来世より、現世の利益の方が良いと思うんですけどね。

大きな傾向として
来世へのみ期待するというのは
現世に対する夢も希望もないという時代の場合があるので
考えものかな、とも思います。

仲良しトリオ
薬師如来の助さん、角さんは?
右に月光菩薩(がっこうぼさつ)、左に日光菩薩になります。

阿弥陀如来の場合は、超人気の観音菩薩が左に控えているというのも
人気の秘密かも知れませんね
月光菩薩と日光菩薩はマイナー感が否めませんね

見分け方
かなり分かりやすい
ことが多い。

最初の頃の薬師如来は特に何も持っていなかったんですが
あるとき
左手に薬壺を持った仏像が作られた。

これは分かりやすい。
一目瞭然
ということで
それ以降の薬師如来像には、左手に薬壺が持たれています。

そんなにウケが良いならってことで
それ以前の薬師如来像も
わざわざ改修して、
薬壺をくっつけたものもある。

もちろん、全部が薬壺を持っている訳じゃないですけど。

その時は、月光菩薩と日光菩薩で見分けましょう。
釈迦如来や阿弥陀如来は、お付きのものが左右対称の格好をしていないことが多い。
左右対称ならおそらく月光菩薩と日光菩薩

持っているものに、うさぎと、三本足のカラスが書いてあれば
間違いありません。
三本足のカラスは、八咫烏(やたがらす)と言って、太陽に住んでいるカラス
すぐに焼き鳥になっちゃいそうですけど。
サッカー日本代表のシンボルマークですね。

印相
印相(手の形)の話も追加しておきましょう。
施無畏印(せむいいん)と与願印(よがんいん)が一般的です。

右手が施無畏印。肩の前辺りに手のひらを前にして出す。
皆さんおそれる事はありませんよ。励ますサイン。

左手の与願印はこれも手のひらを前に向けるんだけど、下に足らす感じ。
座っている場合は、膝の上に置く。
みんなの願いを聞きましょうというサイン。
奈良の大仏も、施無畏印と与願印です。

薬師如来の場合は、与願印の上に薬壺を持っているということになります。

索引はこちら
[仏像の見分け方]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です