日本人はYES かNOかが恐ろしい

金田一先生の「美しい日本語」シリーズです。

言質(げんち)
あまり最近聞かない言葉ですね。
証拠、に近いかな
言質取ってこいと言われると
明確に相手に「やります」と言わせてくること

言質取ってこい、があるということは
いかに日本人にとって言質を取られることを恐れているかということ

ゴンチャロフ
幕末に日本に来たゴンチャロフが、馬場五郎左衛門に聞いた。

長崎の人口はどのくらいありますか?

もちろん、通訳を通じて。

さあ困った。
相手は外国のお偉いさん。
そそうがあってはまずい。

一緒に来ている面々の顔を見た。
見られた方は
えっ!私、そんなあ。勘弁してくださいよ
と心の中で唱えつつ
その横の人の顔を見る。
次次次と回り回って
通訳へ

えっ、それこっちからの質問ですけど

ざわざわしたあと、みんな下向いて
誰か頼むっ

意を決して、定五郎という者が口を開いた

「少ないこともあり、また時に多いこともあります。」

定五郎、立派!
合ってますよね。

この光景
日本じゃあちこちで見受けられますね。

PTAの役員選出なんて、どれだけ沈黙が続くか。

東京裁判
第二次大戦後の、東京裁判。
同様な裁判がドイツでも行われていた。

ドイツでは、時に挑戦的な態度ではあっても、答弁自体は全て明確。
日本の証人たちは、曖昧模湖としてとらえどころがなかったという。

そりゃそうでしょうね。
分かる気がします。

大岡越前
大岡越前は、そのへんのことが良く分かっている。

はなはだ恐れ入りますが、この儀は仔細がございまして、申し上げかねまする。
ご容赦のほど願いまする。

罪に問いたくないなあという人が、こんな風に言ってきたらどうするか。

それでは吟味に差し支える。
もっと聞き取りし上、次第によっては忘れてとらせる。
つまびらかに申せ。

忘れてとらせる、は良い言葉ですね。
言ったじゃない、って言わないよ
何だっけ忘れちゃった
はい、無罪。

裁判官なのにね。
人気出る筈ですね。

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