ペンギンは変温動物なんだって

「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」という本から

前回はウミガメの話でしたね
ウミガメは内温性があった

今回はペンギン

ペンギン
ペンギンの体温って、38度くらいです。
陸上で測るとね

常に一定
定温動物。

これもデータロガーで分かったんだけど
まあ、予想通り

データロガーで調べたかったのは
そうじゃなくて、餌を食べるタイミング。

体温は基本、38度だけど
ペンギンの餌は海に泳ぐオキアミとか小さな魚
その温度は海の温度と一緒で7度

飲み込ませたデータロガーから送られるデータは
餌を食べたとき、急激に下がるだろう
これで餌を食べるタイミングがわかるぞ!

陸上での予備実験でも予想通りの温度のグラフ
いけそうだ

ゴー

結果
完全に予想外のグラフ

ゆっくり説明しますね

まず、潜水を始めた数十秒間、胃の中の温度が1度上昇
その後、100m200m潜っていくにつれ
胃の中の温度がじわじわと下がっていく。
餌を食べている訳じゃないのに

その後、浮上を始めても、さらに下がっていく。
水面にたどり着いてぷかり。
そこで、開始時点より1度ほど低い。
水面にいる間にちょっとだけ体温が上がる
でも元の38度には戻らない

2度目の潜水
潜って浮き上がるとさらに1度胃の中の温度が下がった

数十回潜水を繰り返して
なんと最初から10度以上も下がっていた。

餌を食べたときは?
急激に胃の中の温度が下がるけど
速やかに元の温度に戻る

大発見
これこそ、鳥類は定温動物という従来の定説を完全に覆す。
世紀の大発見!

一同顔を見合わせる。

その後、共同研究しているフランス人に
すごい発見だと思わないか

そうだよ
知ってたよ。

は?

実は去年分かった。
今、論文書いている最中。

彼は連続してずっとペンギンの研究をしている
ペンギンの専門家。

ちょっとちょっとそれ先に言ってよ
人が悪いんだから。

彼はさらに進んで
胃の中だけじゃなくて色んな場所に手術で温度計を埋め込んでいるらしい。

負けたっ
でもそれ言っておいて欲しいよね

なぜ?
問題はなぜなのか
ペンギンに聞いても教えてくれないし。

一方のウミガメは、は虫類にもかかわらず
体温を高める努力を一生懸命しているのに

著者、佐藤さんが推測するに
息を止めていないといけない水中の過酷な状況下では
地上の数倍エネルギーが必要

羽根とかが動かなくならないよう
エネルギーをそっちに集中するんじゃないか
最悪胃が動かなくったって
地上に上がってからゆっくり消化すればいい
長年の進化で培われた生活の知恵

どうですかね
フランス人。

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