[百人一首]54 忘れじの~

わすれじの 行く末までは かたければ
今日をかぎりの 命ともがな

ずっと愛しているとあなたは言ったけど
その気持ちが続くことは難しいでしょう
ならば今日この日限りの命であったらいいのに

貴子
百人一首では、儀同三司母(ぎどうさんしのはは)となっています。
また〇〇のママ?
今度は名前もちゃんと分かっています。
貴子さん
でも読み方までは分からないらしいです。
そういうときは音読みでキシと読む決まり。
でも、たかこさんで良いと思いますけど。

この人、激動の人生を送った人
この歌は恋愛の絶頂期に詠んだ歌なのですが
人生のジェットコースターぶりと重ね合わせると
味わいが違って感じられます。

恋愛の相手、後の旦那さんは藤原道隆(みちたか)
藤原兼家(かねいえ)の息子です。

兼家は、それはそれは熾烈な政権争奪戦を制して
栄華を極めることになった。

道隆も関白になり、息子の伊周(これちか)、隆家(たかいえ)はそれぞれ
内大臣、中納言に、娘の定子(ていし)は一条天皇の皇后になる

もともと貴子自身は家柄が良いわけでもないので
見初められて玉の輿

とても愛されてのちに正妻にはなるけど
プレイボーイで何と言っても兼家の御曹司
いっぱい彼女はいます。
この時に
ああ幸せ
この幸せの絶頂期に死ねたら
と思うかも知れません。

何もかもがうまく回っていた筈が
愛する旦那さん道隆が43歳で亡くなってしまいます。

ここぞとばかりにライバルが追い落としにかかります。
一家は没落の一途を辿ります。

もはやこれまで
貴子は出家して尼さんになります。

藤原定家
選者、藤原定家は〇〇のママシリーズをあえてふたつ並べ
待つ女性の愛の形を対比させた。
いつもながら配置の妙ですね

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