[三種の神器]八咫鏡。どんな形?

[三種の神器] えっそうだったの?
[三種の神器] 八咫鏡はアマテラス
の続きです

八咫鏡(やたのかがみ)
八咫鏡は古事記日本書紀で作るところから書かれている
岩戸隠れの際に、イシコリドメに作らせたもの

そして、瓊瓊杵尊(ニニギ)が天孫降臨する際に
天照大御神から、私だと思って大切にせよ、と与えられた

ということは、八咫鏡は神様界のトップ、天照大御神そのものだということになる

この事を踏まえて
天皇すら見ることのできない八咫鏡とはどのようなものか
「三種の神器」の著者、戸矢学さんの考察を紹介していきましょう

鏡と聞いてまず頭に浮かぶのが、三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)

縁が三角に盛り上がっていて、絵柄として神獣、中国の神仙(西王母とか東王父)、と獅子のような霊獣とが交互に配置されています

魏志倭人伝(ぎしわじんでん)に書かれている
中国の魏に貢ぎ物を送った邪馬台国の女王卑弥呼は、「親魏倭王」として銅鏡100枚を授かった
100枚もくれた意味合いは、これを諸国の豪族たちに、ヤマトに従う約束の見返りに与えれば良いよ
ってこと
実際には日本国内で400枚以上も見つかっており
もらった三角縁神獣鏡を真似て、国内でさらに増産したのではないかと思われる
卑弥呼イコール天照大御神と考えれば
天照大御神イコール八咫鏡と繋がっていきそう

結論的にいうと、違う
もらいものが三種の神器のひとつになったりはしない
天皇しか持てないから三種の神器なわけで
それをみんなに配っちゃいけません

「日本」の天皇の証なのだから
中国の信仰対象の神獣はあり得ない
これが天照大御だという絵柄でなければならない
天照大御神は太陽なのだから
太陽が描かれているだろう

ズバリ、一番近い絵柄は、内行花文鏡(ないこうかもんきょう)

重要なのは、その機能
鏡といえば、顔を映すものと考えがちだが、そうではない
日光を集めて火を起こす、凹面鏡
オリンピックの前に聖火を太陽の光を集めて起こす、あれと同じ

さらに、その大きさ
正直、鏡を作る技術は当時中国に叶わないから
三角縁神獣鏡の方が品質として高いかも知れない
天皇のみに許される特別性は、大きさで凌ぐしかない
例えば平原遺跡で見つかった内行花文鏡は46.5cmもある
当時の技術ではこれ以上は難しいとされているから
同等かもう少しだけ大きいかもしれない

三種の神器の他の二つは「剣璽御動座(けんじごどうざ)」と言い
天皇が2日以上別の場所に滞在するときは、一緒に持っていかねばならず
その場所が宮中となる
八咫鏡だけは、剣璽御動座が必要だとされていない

古事記では、天孫降臨で三種の神器を渡すとき
「この鏡は、もはらわが魂(みたま)として、わが前に拝(いつ)くがごとく、いつき奉(まつ)れ

と言って渡している
本来「同床共殿(どうしょうきょうでん)」が必要なのは、鏡なのだ

おそらく、あまりに大きくて重いので持っていきづらいのではないか

三種の神器が平家没落の時に安徳天皇とともに海に沈んだ時も
八咫鏡だけは難を逃れている
あまりに大きくて重いので持っていけなかったのではないか

[神様]シリーズはこちら(少し下げてね)

[三種の神器] 八咫鏡はアマテラス

三種の神器シリーズ
このあとは一つずつについて検討していくことにしましょう

八咫鏡(やたのかがみ)
古事記においても日本書紀においても、三種の神器は、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)八咫鏡(やたのかがみ)草薙剣(くさなぎのつるぎ)の順で書かれている

玉が第一のようだが
様々な歴史上、宮中における取り扱いをみると、鏡を最重要視しているように思える

置かれている場所を考えると
剣と玉は、天皇皇后両陛下の寝室の隣の剣璽の間(けんじのま)に置かれている
剣璽の「璽」は玉の意味になります
天皇が1日以上移動するときは、剣璽動座と言って、剣と玉は一緒に携行される

八咫鏡はというと、宮中三殿の賢所(かしこどころ)に厳重に置かれ
天皇即位等の特別な事がない限り、動くことはない
宮中三殿とは、吹上御苑(天皇の住む場所)の森の奥深くに存在する禁足のエリア
毎朝天皇陛下自身が参拝に訪れる事にはなっているが、多くは侍従が代参する
向かって右から神殿、賢所、皇霊殿になっており
神殿は八百万の神々を祀り、皇霊殿は歴代天皇と皇族を祀り、賢所は天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀る

八咫鏡は天照大御神自身の御神体ということになる

八咫鏡は唐櫃におさめられ、なんとその唐櫃は二つ存在する
一ノ御座(みくら)は賢所の中央に、二ノ御座はその右脇に鎮座する
それぞれ重量200キログラムもある
長い歴史の中で、何度か火災にも会い、破損もしており
その都度、新しく作って補充しているが
破損したものも捨てる訳ではなく
同じ唐櫃の中におさめられている

由来
古事記日本書紀において、八咫鏡は岩戸隠れの際に、イシコリドメに作らせた、となっている
そして、天孫降臨にあたって、アマテラスがニニギノミコトに授ける
私自身だと思って大切に祀りなさい

10代崇神天皇の時、疫病や天災地変が打ち続いた。
八咫鏡を直接身辺に置くのがまずいのかと、移動し、分身の別の鏡を作ることになる
ここから、分身も本体と一緒という概念になる
さらに次の11代垂仁天皇の時、まだまだ悪いことが続くので、八咫鏡にふさわしい場所はさらに別にあるのではないかと、娘に命じて、ふさわしい場所を探させる

あっちかな、こっちかなと場所を何度も変えるがしっくり来ず
五十鈴側の近くに来たときに、八咫鏡自身が、ここにいさせて

ということでそこが伊勢神宮内宮になる

神道の基本的考え方として、祟り(たたり)をなすものについては、丁重に祀ることにより
逆に強力な守護神となる

とは言え、八咫鏡ってアマテラスそのものであるわけで
皇族の元の元にして神様のトップ
祟りをなすはずがない

祟りって人の気持ちの中の問題なので
祟られる人が、思い当たる節があってのこと

あるとすると、あんまり丁寧には祀ってこなかったなあ、という反省かも知れない

本体の場所を離したことで、多少は気持ちが楽になったかも知れない

私だと思って大切に、と言われたニニギノミコトの継承者たる天皇であるから
分身をアマテラスだと思って大切に丁寧に祀っていることになる

次回は、天皇すら見ることができないという
八咫鏡とは、どういう形でどれくらいの大きさなのかに迫っていこうと思います

[神様仏様]シリーズはこちら(少し下げてね)

[三種の神器] えっそうだったの?

「三種の神器」という本を読みました。
丸々一冊、三種の神器についての解説
最初、図書館で借りて読んでいたけど、あまりに面白いので買っちゃいました

三種の神器は天皇たる証明として代々伝わるもの
という事は分かっておりましたが
安徳天皇が持ったまま海に身を投げた訳だから、その時点で途切れたんだろうと思っていました。
大人の約束として、それは言わないお約束、ってことで
代用品か何かで取り繕っているんだろうなと

全く認識を間違えていました。
読んでいくと、いかに三種の神器について何も分かっていなかったかと愕然としました

三種の神器
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
八咫鏡(やたのかがみ)
草薙剣(くさなぎのつるぎ)

あまりに私自身、認識不足が多すぎて何から話していけば、なんだけど
やっぱり根本的な誤解から行きましょう
私だけじゃなく、こう思っている人多いんじゃないかな

【誤解】
平家滅亡の時、壇の浦に沈み、オリジナルは失われた

【正解】
オリジナルは失われていない

そもそもオリジナルって何か、から始まります。
実は、天皇が代々受け継いでいるのはオリジナルではない

びっくりしました。
でも、よくよく考えると、私も天皇シリーズの中で書いていて
八咫鏡については知っていた筈

草薙剣(くさなぎのつるぎ)(または天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ))は
名古屋の熱田神宮にオリジナル(本体)がある
八咫鏡(やたのかがみ)は伊勢神宮の内宮にオリジナル(本体)がある
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)だけは皇居にある

では、皇居にある、代々受け継がれている草薙剣と八咫鏡は何なの?ってことになる

分身

レプリカではない
レプリカってにせ物な訳だけど、にせ物ではない
「分身」は本体と同等である事が「保証」されたもの

さらに言うと、ずっと同じものが継承されている訳ではない
失われたり破損した場合には補充補填している
補充補填とは、そこで新たに作る訳ではなく、ストックから選ばれて採用される

本体と分身が同じ形であるかは分からない
補充補填されたとき、前のものと後のものが同じ形であるかも分からない

なぜ分からないかというと
本体にしろ、分身にしろ、三種の神器は見てはいけないものだから。
誰も見たものはいない
たとえ、天皇であっても見てはいけない

ネットで八咫鏡、って検索しても写真は出てこなかった
八咫鏡って言うくらいなんだから、鏡には違いない
でも、そこまで

ただ、それだけっていうんじゃあいくらなんでも、ってことで
戸谷学さんは豊富な資料と取材で本一冊で推測していっている

姿以外にも、なぜ、本体が別のところにあるのか等々、色んな謎を解き明かしている

今回は導入として、シリーズの次回以降で詳しく解説することに致しましょう

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

[神社] アメノタヂカラオは力持ち

社労士試験を終えて5日
気持ちも落ち着いて来ましたが
不思議な現象がひとつ

夢を見るんです
社労士の問題を一生懸命覚えようとしている夢
途中で夢だと気づいて「もういいんだよ」と自分に言い聞かせようとしてもだめ

2日連続で同じ夢をみて
うわあ、同じ夢を2日連続で見ちゃったよ、と思いましたが、それどころじゃなかった
なんと今日まで5日間連続で同じ夢を見る
改めて自分の中での1年9ヶ月の大きさに驚いています
一体いつまで続くのか

さあ、日本の神様シリーズです


アメノタヂカラオ
オモイカネノカミ、アメノウズメノミコトらとチームを組んで、
天の岩戸の奥に隠れたアマテラスオオミカミを引き出す作戦に取り組んだ神に、
アメノタヂカラオノカミがいます。

その名前は「天手力男神」「天手力雄神」と表記され、
「天上界にいる、手の力の強い男」を意味します。

天の岩戸作戦では、アメノタヂカラオはアマテラスの手を取って外に連れ出しました。
「日本書紀」の一書には、岩戸の入り口を怪力でこじあけたという話もあります

また、ニニギノミコトが高天原から葦原中国に降りた天孫降臨の場面にも、
随行する神様たちの中に登場しています。
天上一の力もちとして、ニニギと一行を守るボディガードのような役割だったのでしょう。

投げた戸
アメノタヂカラオは、各地の手力雄神社の祭神となっているほか、
三重県の佐那神社など、多くの神社で祀られています。

学問の神様として有名な東京都の湯島天満宮(湯島天神)でも
菅原道真とともに、アメノタヂカラオが祭神となっています。

全国的にも有名な宮崎県高千穂町の夜神楽には、
アメノタヂカラオが主役となって舞う「戸取舞(ととりのまい)」という演目があり、
神話にもとづいた力感的で雄壮な舞に人気があります。

また伝説によると、天の岩戸からアマテラスを無事に連れ出すことができたとき、
アメノタヂカラオは洞窟の戸を思いきり放り投げ、
それが信濃国(長野県)に落ちたといいます。
ドスン
そのまま戸隠山になりました

最初、九州にすんでいたアメノタヂカラオは和歌山を経て信濃へやって来ます
おっ、この山はあの時の!
この土地こそが私の住む場所、と
ここにお引っ越し

奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社の五社から構成されている戸隠神社があり、
アメノタヂカラオは奥社の祭神として、
技芸上達スポーツ必勝、心願成就などを願う参拝者を迎えています。

ちなみにこの戸隠神社は、
九頭龍大神という龍(または大蛇)の神様を祭神とする九頭龍社以外は、
天の岩戸開きに関係のある神様たちを祀っています。