庭園の植木。特に重要な松

庭園シリーズ

庭園には欠かせない、重要な要素、植物を見ていきましょう

植木
まずは植木から

常緑広葉樹、落葉樹、針葉樹、竹笹類、をどう組み合わせていくか

大自然を切り取ってコンパクトに象徴化する日本庭園では
コンパクトに扱いやすい木が好まれます。
公園だと、大きく成長する木でも良いんですけどね

演出効果の高いものが選ばれることになります。
四季おりおり、って事が特に重要

春は、梅と桜
夏は涼しげな竹林
秋はイロハモミジを中心とした紅葉
冬は純白の雪がはえる松


中でも、最も重要視されるのが松
日本庭園と言ったら松
松竹梅で最も位が高い訳ですから。






あの枝ぶりは、他の木にはなかなか出せません。
盆栽でも松が中心ですね

意味的にも重要で
不老不死の象徴
寿命が長く、色が変わらない。

月との相性が良いのも松
月も何度も永遠に満ち欠けを繰り返すから、不老不死の象徴
松越しに月を見て観月を庭園で楽しむ。
月を見るのに都合の良い、東南に松が多く植えられます。

また、池が海をイメージするということになると
やはり海岸での松ということになる

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ノゲシ

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日本庭園での一番の大物。築山

日本庭園での色々な要素を見て参りました。

石がらみを一通り終えたので、いよいよ一番の大物に行きましょう。

築山
山です。
池は海を表していたので、次は山が必要です。
庭園にある山は基本的には「築山」(つきやま)と言います。
徳川家康の正室は築山殿でしたね

全部築山でも悪くはないと思うんですが
傾斜が緩やかなものは野筋(のすじ)と言って区別する場合があります。
傾斜が急であれば、荒々しいイメージになり、水の流れも激しくなる
野筋だと、落ち着いた感じになり、水の流れも緩やか
それぞれで、石組みも変えて、築山ではゴツい感じ、野筋では落ち着いた感じにします。

なぜ庭園に山を作るかは、そりゃ山は必要でしょ、と説明するまでもないですが
実用的な意味もあったりします。
残土処理です
池を掘って出来た土を一ヶ所に盛り上げる。

信仰的にも意味がありますね
元々日本では山自体が神様。

仏教が興ったインドでも、
仏教のみならず、ヒンズー教等々のインドの全ての宗教に統一的な世界観として
世界は「須弥山」(しゅみせん)という山。

神仙思想においても蓬莱山は不老不死の象徴
ただ、これは池の中にある島でなければ意味ないかも

色々
都立9庭園でも色んな築山があります。
一番大きいのは六義園の築山で、藤代峠という名前がついています。

庭園はなくなっちゃったけど築山だけ残っているのがこの前行った、戸山荘の箱根山

おそらくその次に大きいのが、小石川後楽園の小廬山

この三つがいずれも富士山でないところが面白いなあと思う。

都立9庭園の築山で富士山となると3つ
浜離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園

清澄庭園

富士山と言うことになると、この前お話しした富士塚になりそうだけど
富士塚は主に、神社の中にあって、庭園の中にあるのとは位置付けが違う。
おそらく、東京の庭園は元武家屋敷だったところが多いので、一般庶民は入れない。
富士塚は、一般庶民が組織した富士講の象徴ですからね

池泉回遊式庭園は、池の周りを巡って色んな場所から池を見て、違った景色を楽しむ。
その中で、一番圧巻なのは、高いところから池全体を俯瞰で見渡すってところ
先程あげた都立9庭園もやっぱりそうです。

六義園の藤代峠からの眺めは何物にも変えがたい

馬鹿と煙は高いところに登りたがるって?
はい
だーいすき

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クリナム

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日本庭園の醍醐味。鹿おどしでカコーン。

庭園のシリーズで、石がらみです

庭石、灯篭と来まして、加工する石、その他あれこれ

手水鉢
手水鉢(ちょうじゅばち)とは、もともと神社を参拝する際、
手で口をすすぎ、手を洗い身を清めるための「手水舎」から来ています。
初詣必見! 神社でのお参りの仕方

茶の湯では、茶室という神聖な場所に入るためのみそぎが重要になりますので
手水鉢が重要な意味を持ちます。

高さで大きく三つに分かれ
手水鉢には、低くつくばった姿で使う「蹲踞(つくばい)手水鉢」
つくばわずに立ったままで使う「立(たち)手水鉢」
建物の縁先に配される「縁先(えんさき)手水鉢」があります。

「蹲踞」(つくばい)って面白い言葉ですね。
「はいつくばって」のつくばいです。

「蹲踞」

身分の平等を説いた千利休は、武士もその他の身分の者も頭を下げて「わびる」ことを体得させるために
茶室の入口を小さな「にじり口」として、刀掛けを設け、
たとえ武士であっても刀をはずし、頭を下げて茶室に入るようにしました。

縁先手水鉢

鉢前(はちまえ)とは、縁側または濡縁のさきに設けられ、縁先手水鉢を中心としたワンセットの施設です。

「水鉢」、
貴人に対して臣下のものが柄杓に水を汲んで差し出すために足をおく「水汲石(みずくみいし)」
水汲石の反対側に据えられる「清浄石(しょうじょうせき)」
水穴を掃除したり水を汲み上げるために使う「水揚石(みずあげいし)」
跳ね返りの水が縁下に入るのを防ぐ「蟄石(かがみいし)」などの役石で構成されます。

手水鉢の種類
「自然石手水鉢」「見立てもの手水鉢」「創作手水鉢」の三つに分類できます。

「自然石手水鉢」は、特徴的な形の自然石に穴を空けたもの
自然石の野趣を重視して作られたものです

清澄庭園の自然石手水鉢は素晴らしかったです。
そもそも穴は一切開けておらず
穴が開いた形の自然石でした。

「見立てもの手水鉢」とは、廃品利用ということです。

その心は、
コスト削減?

まあ、そういう意味もあるのでしょうが
廃品を利用するという事に、日本的心を感じようって事なんじゃないでしょうか

もったいない、って事もあるでしょうし
当然古いから、風合いもある
最初から使い古しのジーンズを買うのと似ています。

また、そのものが現役で活躍していた時の心を持ち続けているでしょう
建物の礎石なら、縁の下の力持ちとして、みんなを支えていた。

君の頑張りは知っているよ、と

清澄庭園の橋脚を利用した手水鉢

「創作手水鉢」は、ある意味前の二つと逆の方向性かも知れません。

手水鉢が庭園に必須のものになってくると
ちゃんとコーディネートして、庭園の雰囲気やコンセプトに合ったものとして
最初から作りたいなと。

なるほど、その気持ちも良く分かります

これなんて面白いですよ
龍安寺、銭型手水鉢

真ん中の四角をそれぞれに共有して四つの漢字
「吾れ唯だ足ることを知る」となる。
「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」
という禅の格言を謎解き風に図案化したもの。

鹿おどし
日本庭園でこれがあると一気にテンション上がっちゃいますね
都立9庭園でいうと、殿が谷戸庭園にあるのよね

カコーン

ああ、日本人に生まれて良かったぁ、と思う瞬間ですね。

それにしても、「鹿おどし」と書いて「ししおどし」とはこれいかに
獅子おどしと書くときもたまにあるようですが
ライオンが近くに来ちゃったら、そっちの方が驚いちゃいますね。
猪の「しし」じゃないかとの説もあるようですが。

水琴窟
水琴窟(すいきんくつ)は、もっと幸せになれますね

これは言葉で説明しても意味がありません。
動画でお楽しみください。

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ルドベキア タカオ

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これぞ日本庭園。灯篭を知ろう。

日本庭園シリーズ
今は石がらみで来ています。

となると、灯篭ですね
灯篭があるのが日本庭園、そうじゃないのが洋風庭園、と言っても良いくらい
必須アイテム

灯篭
灯篭(とうろう)ないしは燈籠

仏教が飛鳥時代にもたらせたのと同時に
朝鮮から伝来
ところが、今現在、朝鮮にはこれに該当するものがないというから
日本で独自に発達したと言っても良いでしょう。

日本庭園に置かれるようになったのは、桃山時代
茶の湯の露地の発達と共に
夜の茶会の照明用に露地に置いたのが始まり。

えっ
本当に照明なんだ
名前からしても、形からしても
当たり前なんだけど
現実に中に火が入っているのを見たことが無いので、とても新鮮です。

灯篭の種類

何気なく「灯篭」とひとくくりにしちゃいますが
大きくいくつかに分かれます。

春日(かすが)灯篭
最もポピュラーです。

用途としては道を照らす。
歩きやすいようにね。

今で言う街灯の役割なので、火は高いところにある。
竿が長い訳です。

色んなタイプはあるものの
春日がついている訳ですから
春日大社がブランドを形成。

一番分かりやすいところに鹿を配置
奈良ーっ

雪見灯篭
竿がなく、池のそばにあって、
人ではなく池を照らすのが雪見灯篭

雪見って名前、風流な感じはするものの
何が雪見なんだか、いまいち分かりませんね
この前、清澄庭園のガイドさんが教えてくれました。

雪見灯篭の灯りが、池面に映り
ゆらゆら揺れて
まるで雪が降っているよう、と楽しむ。
雪のように見えるから雪見

足と傘がかっこいいんですよね。

岬灯篭
さらに足すら無くなっちゃったのが、岬灯篭
洲浜の一番端っこにちょこんと置かれ、アクセントに

海の灯台の意味ですけど
とにかく可愛い。

あるとないとじゃ大違い。

織部(おりべ)灯篭
これ、あまり記憶にないけど
どこかでみたことあるのかも知れません。
茶人として超有名な、古田織部さんが考案したということで
茶室の露地にはかなり一般的らしい。

竿の下に台がなく、直接地面に深く突き刺すらしい。
あとは、竿の上部がぷっくら膨らんでいるのが特徴。

隠れキリシタンが密かに建てたと言われていて
別名キリシタン灯篭
ぷっくら部分が十字架に見えなくもない

もう少し出っ張ったら十字架だけどギリギリセーフ

でも、別名キリシタン灯篭なんて言われちゃった時点でアウト、って気がするけど。

古田織部さんはキリシタンではないけど
本郷織部さんっていう人がキリシタンとして処刑されたということから
織部繋がりっいうことがあるのかも。

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カラスウリ

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