[百人一首]80 長からむ~

長からむ 心も知らず 黒髪の
みだれて今朝は ものをこそ思へ

あなたのお気持ちは末長くつづくのかしら 私には確信がもてない
ゆうべの、恋のさ中は信じられるように思ったけれど
今朝は千々にみだれるこの黒髪のように
わたしの心も思いみだれずにはいられないの

おはこ
出ました
待ってました

この前の淡路島に続き、
この札も私の兄弟、今度は妹のおはこの札です。

理由は名前が入っているから

下の句の札はこんなふうになっています。

上だけ右から一文字ずつ読むと
ねっ

さあ、性格の悪いお兄ちゃんと
その他家族全員のバトルの様子は、
こちらを読んでね
百人一首で、大バトル

待賢門院堀河
本名分かりません
源顕仲(あきなか)の娘
当時は、女性の場合、公には名前で呼ばれず
仕事の役職だったり、父兄の名前だったり。
待賢門院(たいけんもんいん)はあの、瀬をはやみ、の崇徳院の母親
待賢門院に仕えていた女房という意味
じゃあ堀河はというと、親なのか誰なのかの名前なのか役職なのか

当時、かなり女流歌人として名をはせた人です。

結婚
当時の結婚の形態をおさらいしておきましょう。

基本的によほどの事がない限り同居はしません。
通い婚です。
男性が女性宅に通う。

一夫多妻制なので、
一人の男性が何人かの女性の元へ

あまり行かなくなったら
自然と離婚ってことと同様

だから、こういう歌がいくつも作られる訳です。

一方的に女性に不利かと思いきや
女性もどっこい

ころっころ男性を変えて良い。
離婚がそもそもあいまいなので
女性がこりゃ離婚と思えば、
男性がどう思っていようが離婚
はい、次。

言わなきゃ分からない

早い話が多夫多妻にイメージは近い。

まずは、男性が色んな噂からこの女性にアプローチしたいなとなる
歌を送る
直接本人には届かず、たらい回し。
色んな人のチェックを受けて
これなら良し、となって初めて本人に届けられる

何度か歌のやり取りをしてOKとなれば本人に会える

首尾良く行って、3日通うと、結婚ということになる
所顕(ところあらわし)という披露宴が開催される

実にこの所顕の時まで、お互いに顔が分からない。
まっ暗い中でしか会っていないので
分かったような分からないような


当時の女性は髪が長い
髪が長い、イコール美人、なので髪は切らない
床まで届くようにがんばる

さっき言ったように顔の確認はほぼ出来ないので
髪が長かったなあ
ああ、美人だったなあ、となる

可哀想にね
私なんか、はげてるからどれだけ楽か
ちょちょいのちょい

鑑賞
これらを踏まえて、この歌を見ていきましょう。

ああ、昨日は

髪の乱れを整えつつ

上質なエロチシズムでございます。

あなたが噛んだ、小指が痛い
の世界ですね。

でも喜びと不安は表裏
あのお方はまた来ていただけるのかしら

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