百人一首で、大バトル

百人一首の解説の文庫を買いました。
灘高の有名な国語の先生の解説本です

何で買ったかなんですが、
短歌に興味が有ったというより、
最近急に歴史づいちゃってるので
興味ある人が、えええっ、あの歌、この人のんやったんやという驚き。

一回は全部覚えたので、意味や詠んだ人は知らないけど
聞いたことは絶対にある

次回から、百人一首のうち、
人に興味がある歌を中心に紹介していきます。

その前に
今日は、その前に、百人一首と言えば、という思い出話をしたいと思います。

小学校のとき、正月休みに宿題が出ました。
百人一首を覚えてきなさい。
休み明けに、かるた大会をやりますからね。

おおーっ、面白そう。
頑張って全部覚えて優勝あるのみ。

必死で覚えましたね。
繰り返し繰り返し。
歌の意味なんて分からなくてもひたすら丸暗記。
全部覚えることが出来ました。

そして見事優勝することができました。
めでたしめでたし。

家族で
そういうこともあったので、
それ以降、家族でも、正月と言えば百人一首が恒例行事
両親と私と姉と妹。
お父さんは読む係り。

妹はあまり覚えていなくて、いつもビリッケツ。
ただ、そんな妹がとても良い札を見つけた。

長からむ、心も知らず黒髪の
乱れて今朝は、ものをこそ思へ

下の句って全部ひらがなで3列になってます

こさみ
そはだ
おもれ
ものて
へをけ

上だけ右から一文字ずつ読むと

ああっ
私の歌だっ

ところで、お察しとは存じますが
うちの妹の名前は一応内緒ね

それから
それからはもう勝負は度外視です。
妹は自分の札を取れるかどうかに全神経を集中させる。

親は妹の味方
札をばらける時点で、みだれてけさ、を探しながら。
運良く見つかると、妹の真ん前にこっそりと置く。

お父さんはお父さんで
次は「長からむ」だと思うと妹に目配せ。
ところが、それをあからさまにやると、敵に悟られてしまう。

そうです。
敵は、性格の悪いお兄ちゃんです。

お兄ちゃん、こと、私は、
「もう~~、お兄ちゃんんんんんっ」
と真剣に怒られるのがとても面白い。

「長からむ」に強く強く集中するのです

かくして、百人一首大会は大バトルと化すのでした。

歌の意味
さあ、大人になった今
歌の意味をもう一度考えてみましょう

長からむ、心も知らず黒髪の
乱れて今朝は、ものをこそ思へ

あなたが変わらぬ愛を誓ってくださっても
本当かどうか私には確信が持てないのです。
あなたとお別れしたばかりの今朝には
昨夜の黒髪の乱れのように
私の心も千々に乱れて
あれもこれもと物思いに沈むばかりでございます。

解説
「長からむ心」は愛を誓ったということ
女と別れてすぐに送る「後朝(きぬぎぬ)の歌」には当然変わらぬ愛が誓われる
あまりにも当たり前

勝負は、「後朝の歌」への返歌
この歌は返歌として読まれています。
素直に喜ぶのではなく
反発しながら男の気を引く。

あなたなんて信じられませんわ。

えっ、どど、どういうことと、と
ちょっとだけ思わせ
黒髪の乱れで全てを悟らせる

高度なテクニックじゃありませんか。

今時の若い人たちも
ラインでこんな高度なやりとりするのかなぁ

百人一首で、大バトル」への1件のフィードバック

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