茎の存在意義は何でしょう

茎の存在意義は何でしょう

せっかくですから
このあとの本文を隠して、ちょっと考えて見てください。

前回、葉っぱはなぜ平たいかの説明をしました。
今回は、茎に関するお話をしましょう。

茎の存在意義
さあ、どう思われました?

正解というのがあるのかということ自体、疑問がありますし
あるとすれば、その正解は、複数なんでしょうけど

高校の教科書では
葉と根の間で水や栄養をやり取りする、
と書いてあるそうです。

でも、この「植物の形には意味がある」という本では
その表現に違和感を感じるとしています。

えええっ
私もそう思いました。

それは逆でしょうと言っています。
もし、それが茎の「主要な」役割ならば
根から、直接葉っぱを出せば済む話です。

「奇想天外」という植物があります。

こんな複雑な例をあげずとも
身近な例で、タンポポは葉っぱに関する限り根から直接出ています。

茎のある植物と茎のない植物を混ぜて同じ場所に植えたら、どうなるでしょう。

茎のある植物の方が勝つ。

葉っぱが、より上に茂ることが可能だから
光の獲得競争に勝つということです。

先ほどの例で言うと
奇想天外は、そんな光の獲得競争が必要ない砂漠で育つから
茎は必要ない

じゃあタンポポは
上に遮るものがない、日当たりの良い場所でしか育っていないと言うんです。

なるほど、そう言われるとそんな気もする。

ここで、疑問が
林の中で育つ植物にも、葉っぱが直接出ているものがありますね。
カタクリです

でもカタクリの育つのは、落葉樹の林の中なんです。
早春に葉を出して、花を咲かせたかと思うと
夏になるだいぶ前に、葉っぱは枯れちゃう。
上が葉っぱで暗くなる頃には、もう休眠状態
突貫工事型の生活をしています。

ということで
この本の考える、茎の存在意義は
「葉っぱをより高い場所に保持しておくため」です

そのためには、上にある葉っぱにも根から水を送る必要がありますので
仕方なく、副次的に持たざるを得なくなった役割が
「葉と根の間で水や栄養をやり取りする」
だと。

私は、個人的には
だとすると、副次的だろうが
「葉と根の間で水や栄養をやり取りする」
も複数の存在意義のうちの一つと考えて良いんじゃないかと思いますがね

茎の伸びるスピード
だとすると
せーの、ドン、でスタートしたとすると
早く伸びた方が有利です。
半月で50cmというのが
かなり頑張った場合の記録だそうです。

面白いのが、同じ種類の植物ですらこの競争は行われること。
頑張った価値組は、よりエネルギーを光合成で得られるから
ぐんぐん伸びて
一度劣勢になったらどんどん不利になり
とうとう枯れちゃうといいます。

ただし、ここで、木と草で考え方が異なります。
一年草はスタートダッシュで勝負するから必死ですし
ある程度の高さで何とかなれば
後はどうせ一年で枯れるので、それ以上は必要ない。

木の何年も何十年もかけて
結果として勝負に勝てば良いので
ゆっくり伸びます。

草がうさぎさん
木が亀さんです。

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