庭園の石組、続き

前回、石組を途中までお話しました。
庭園の石組
その続きをいたしましょう。

十六羅漢石
鎌倉以降、日蓮宗や禅宗が人気を集めていくと
仏像よりも、高僧への注目が高まります。

羅漢(らかん)というのは、お釈迦様の弟子たちなんですが
その中で特に優れた人を十六人選ぶと十六羅漢になります。

妙蓮寺 十六羅漢の石庭

影向石
仏や神が出現することを影向(ようごう)と言うんですが
その場所を覚えておきたいですよね

はいここ

置かれた石を影向石(ようごうせき)と呼びます。

実はこれこそが神社の起源でもあります。

石そのものを神様と考える、磐座(いわくら)もそうなんですが

石を他の石とは違って際立たせるために
周りを囲ってしめ縄を張ったり
風雨にさらされないように、屋根を付けていったりというのが
神社の始まりでもあります。

となると、そういった特別な石は、庭園に飾っておきたくなります。

西芳寺 影向石

西芳寺は別名苔寺ですので、庭園のほとんどの石には苔がついています。
ところが、この影向石だけが苔がなく真っ黒で、しめ縄付き

磨いてるんですか
と聞いてみると、

いいえ、年に一度しめ縄交換するだけであとは何もしていません。

神のなせる業ですね

夜泊石
夜泊石(よどまりいし)は連続的に石が並ぶ場合。

神仙庭園の場合は、「夜に係留している4隻の舟」
漢字の通り

鹿苑寺(金閣寺)

浄土式庭園になりますと
阿弥陀如来が現れるとき、続いて現れる菩薩たち
二十五菩薩と言ったりします。

西芳寺

彼らは楽器を持って演奏しながらやって来るらしく
太鼓や琵琶、笛などの楽器に模した石を庭園に配置する場合は
楽器石と呼びます。

マーチングバンドですね
はたまたブレーメンの音楽隊

円照寺が有名らしいんだけど、残念!
基本非公開で、特別参拝の時も撮影禁止なのか、
検索しても写真が出てきませんでした。

でも大丈夫。

そういうときは、どこかの庭園に行ったとき
これは、楽器です、と言い切っちゃえば良いんですね

今までの石組も全部そうだけど
あっ、あの石、阿弥陀如来だ、とか
あれは琵琶だね、とか
言ったもん勝ちです
そのために日本庭園は加工しないで石を置いてくれている訳ですから

陰陽石
「陰陽石」とは、男根と女陰を象徴した石組

あら恥ずかしい、公衆の面前でそのような
とは言え、そんなに具体的な形をしている訳じゃなく
立ててある石の横に、寝かせてある石が置いてあれば
それだけでも、もう陰陽石

ここは、写真はやめときましょう

昔から子孫反映はみんなの願い
特に武士の世の中になってからは、お世継ぎが産まれる事こそ
重要かつ切実な願いになるのです。

風景
今までお話ししたような、「仏教的石組」「吉祥的石組」という
石の並びに何らかの意味合いを持たせたものがある一方
純粋に石の組み合わせで、風景を表したものもあり、「風景的石組」と言われます

例えば、「滝石組」と呼ばれる、水を落とす滝を石を組み合わせて作り上げる
「連山石組」と言って、連なる山々を表したもの
「護岸石組」は岸に石を組んで岸を護りつつ、池の縁に変化のある風景を作り出す。

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