元号の名付け方、その3。菅原さん、こっちが良いです。

元号の名付け方
元号の名付け方、その2
の続きです。

今回は手続き的なことをお話しましょう。

天皇
新しい元号を何にするか最終的に決めていたのは天皇です。

でも、天皇が膨大にある中国の文献に当たるのは無理
そこで、文章博士(もんじょうはかせ)なるひとたちが
候補を洗い出します。
そこから、公卿会議で吟味を重ね
最終的に候補を二つにする

天皇の出番

うーん
こっち!

良いですね。この制度
今回もこれでやったら良いんじゃないかな
今回は自分の名前にもなるわけですからね

二つのうちのひとつだったら、突飛なものにはなりませんしね
ゲートウェイみたいな

象徴は実質的な政治には関わっちゃいけないってことは分かるけど
二つのうちのひとつを選ぶことが実質的な政治じゃないでしょう。

文章博士
候補を洗い出す、文章博士はどういう人かですが
律令制度での朝廷の役職のひとつ

まさか、改元のためだけにいるの?

そんな訳ないですね
要は国語の先生。

大学寮という官僚の教育機関があるんだけど
その中で漢文学や歴史学を教えていた先生。
天皇にも教えていたし
他のお公家さんの提出すべき文章を代筆したりする
国語のスペシャリスト。

そんな天才もなぜか世襲になっていって
平安時代末期になると
大江家、菅原家、藤原家が独占。

さらに室町時代以降は
改元の候補出しに関しては、完全に菅原家が独占。
「寛正」「文正」「寛文」という3つの例外を除いて
全て菅原さん

国語の天才の家系と言えば今なら金田一さんですね

昔は、
えっ、菅原さんでらっしゃるんですか
へへーっ

菅原さん、この文章をお読みでしょうか
すごいですよ
あなたの祖先が全て元号を決めたんです。

現在
今は、文章博士という役職はないから
内閣総理大臣が選んだ、有識者といわれる人が
候補をいくつかあげて、提出
内閣官房長官と内閣法制局長官らが候補を数案に絞り
最終的に全閣僚会議で閣議決定

残念!
そこ、最後のところ
一つじゃなくて、二つにならんかなあ

こっち

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