植物は、こういうふうに見ている

植物はそこまで知っている、という本を読んでいます。

実は結構前から読んでいるんですが
理系の本はなかなか進みません。

おそらく正確にお伝えすることは無理なので
例によって、ばくっとでーこん的解釈でお伝えすることにいたしましょう。

この本、何を書いているかというと
植物って何が出来るのか、ということ。

一時期、結構流行りました。
植物って超能力的に色んな事が出来るんですよ、とか
毎朝、観葉植物に「きれいだね」と話しかけるとすくすく育つとか

世の中の人で理系じゃない人って、センセーショナルなことに飛び付きます。
新しい研究発表があると、新聞には、「植物は会話している」的見出しが出てしまいます。

この本は最初に、
「植物の神秘生活」のような内容を期待されたのであれば、残念ですが期待外れです。
と断っています。

知っている
植物と動物の違い。
植物は動けない。

ただ、動けない範囲内で周りの環境変化に対応するために
色んな仕組みを持っている

周りの環境変化をとらえる術

目、耳、鼻などの器官は全て存在しない。

植物が、目で見ていることはあり得ない訳です。

では、動物が目で見れば分かる環境変化を
植物は全く異なるある仕組みで知ることが出来る。

それを、目、耳、鼻など一つ一つについて解説してくれている本なのです。

見ている
まずは「見ている」という部分から参りましょう。

植物は近くにものがあるかないかを知っている
あなたが青いシャツを着ているか赤いシャツを着ているかも知っている
家の壁を塗り替えたとすると、それは分かる
植木鉢を居間の片隅から別の場所に移したなら、それも分かる

ただ、近くにいるのが、くたびれたおじさんなのか
ピチピチの女子高生なのかは分からない。

単純に言うと、光に反応する。

これは、なんとなく分かっていますね

屈光性
光のある方向に曲がっていくのも知っています。
屈光性と言います。

では、その目はどこにあるんでしょう
先端なのか、曲がる「その場所」なのか
曲がる場所ならば、光が多く当たる片側だけが早く成長して、結果として曲がる?

実験がなされました。

a,d,eだけが曲がった。

ということは
先端に「目」がある
曲がる場所には目はないから
先端でこっちに曲がろうと思い(?)曲がる場所に指示したことになる

光周性
目ってこれだけ?
いえいえ、まだあったんです。

アメリカメリーランド州でタバコが栽培されていた。
春に苗を植えて晩夏に刈り取る
一部だけ残しておいて、花が咲いて種ができたら、
その種で次の年に同じことをする

ある年、もっと多目に残しておいてみた。
すると、ガンガン伸びる
葉っぱがどんどん取れて生産性が大幅アップ
霜が降りるころになってようやく成長が止まる。
良いじゃないか、今後もこれで行こう

でもあることに気づいた。
花の時期が終わっちゃっているから、種が取れない。

失敗したぁ

でもめげません。
寒い時期に花が咲くようにすりゃ良いんだ。

実験開始

鉢植えにして、部屋に入れたり外に出したり
色んなパターンを繰り返した。

分かったぞ

日が長いうちは葉っぱがどんどん出来て
日が短くなったら花が咲くんだ。

そうです。
気温じゃ無かった。
植物は、日の長さを見て、日照時間を測っている

この発表は、世界の植物学者の研究者魂に日を付けた。

そして、こんな事が分かりました。

植物は昼の長さを測っているんじゃない。
夜の時間を測っている。

しかも、暗い時間がどれだけ連続して続くかを測っている。

どういうことか

夜中の2時くらいにほんの数分だけ、光を当ててみる
数分が終わったら元の暗いまま。

すると、時間計算がリセットされちゃいます。
トータルの時間は関係無い。あくまでもどれだけ暗い時間が連続しているか

おっ、短いやん。夏かいな、となる

これをうまく調整すると、花を咲かせる時期は自由自在。

この発見は大発見です。
ほんの数分で良いから、電気代なんて微々たるもの。

今、あらゆる花が年中花屋に溢れていますが
全てこの考え方によります。

母の日の前に、うまい具合にカーネーションが出回るのは
頑張ってビニールハウスとかで調整しているんだと思ったら
そうじゃなかったんです。
夜中にピカッ

光の色
そうなると、植物学者たちは楽しくて仕方ない。
色々実験したくなります。

次なる興味は、光の色。

なんとなんと赤い色の光にだけ反応する
青や緑の光で開花のタイミングを調整することはできない。

赤色光の後で、目には見えない遠赤色光を当てると
なんと、最初の赤色は見なかったこととなって忘れちゃうとか
その逆だったらどうのこうの
研究者たち楽しそう。

さあ、この目、さっきと同じように、先端にあると思いますよね
違うんだなあ、これが

こっちの目は、葉っぱにある

だから、葉っぱに何かを被せたり
あるいは、葉っぱがそもそも何らかの理由でなくなっちゃったら
いつ花を咲かせていいんだか分からなくなっちゃう。

以前、台風で葉っぱが取れちゃった神戸の桜が
秋に狂い咲きした話をしましたね。
なぜ秋にサクラの花が咲くのか

はい、ここで繋がりました。

索引はこちら
[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)


シラカシ

花カレンダー始めました

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