[植物]彼岸花。何年もかけてじっくりと

植物のかしこい生き方。第4章「逆境をしたたかに生きる」から

大きく咲きたいなら あせってはいけない
密やかにじっくりと 時間をかけて力をためる

彼岸花ってとても不思議な植物
過去、2回話題にしました。

お彼岸ですから、ちょっとだけ追加情報

彼岸花

[植物] 彼岸花。どんな葉っぱかなあ
で、
花が咲いている時には、葉っぱがなく
葉っぱがあるときには、花がない
というお話をしました。

そしてその媒介をするのが、球根
正確に言うと、彼岸花は根ではなくて茎なので、鱗茎(りんけい)というのが正しいようです。

どうして増える?
日本にある彼岸花は全て、遺伝子的に同一なんですって。
元は中国からやって来たのですが、たったひとつの彼岸花が
どんどん増えて、日本中に広まっていった。

そして、日本にある彼岸花は遺伝子の特徴として三倍体という特徴を持っています。
通常の生き物は、お父さんとお母さんの遺伝子から、ひとつずつをもらって両方を持っている
これが二倍体
ところが三倍体は三つ持っている

はい
こんなこと言っておりますが
実は、何の事か全く分からず書いております。
あとのひとつは一体どこから来たんだか
これ以上の理解は、理系の人に任せるとします。お手上げです。

中国の彼岸花は二倍体と三倍体の両方があるそうです。
日本の彼岸花は三倍体しかない
二倍体だと種を作ることもできる事もでき、種がどこかに飛んでいって増えることも可能
三倍体は、増える方法は、分球しかありません。
ニンニクみたいなイメージでしょうか

大きな疑問が湧きます

分球したとしましょう。
横にぽこっと別れるだけです。
自ら歩いて別の場所に行けません。
「どんどん増えて日本中に」なんて無理です。
残念でした。お手上げです。
理系の人だって解決できません。

ひとつ考えられるのは、鳥や動物が加えてどこかに運んだ
考えられない訳じゃないでしょうが。

おそらく一番有力なシチュエーションは人間が運んだ。

1.ひとつは土を運ぶときに紛れて、鱗茎も持っていっちゃった

そんなのさすがに気づくでしょうと思いますが
実は、全てがさっきの写真のような大きさではないんです。
ほとんどがもっともっと小さい
数年かかるんです。

小さい間は、冬の間に地上に伸びて葉っぱをつけて養分をつくる
作った養分は鱗茎に貯めてちょっと大きくなる
この年は養分を消費するだけの花は咲かせない。
数年かけて少しずつ大きくなり
よし今年だ!
となってようやく花をつける

彼岸花は毒があると話しました。
[秋分] 9/23 彼岸でお墓参り

なぜかというと、こうやって苦労して何年もかけて大きくなっていっているのに
食べられたくないからです。

2.わざわざ、人が彼岸花を増やすために別のところに植えた。

いくつか目的があると思いますが、ひとつめはその毒です。
多いのは、墓場や田んぼの畦道ですが
そういう場合は人が植えたと思われます。
昔の土葬の時に、モグラに食べられることを阻止しようとした。
モグラは肉食なので直接鱗茎を食べることは無いんですが
彼岸花の咲いているところには、餌のミミズがいないという間接的理由です。

田んぼの畦道については、確かにモグラは大敵ですが
ミミズはいてほしい筈なんですが、畦道なら良いって事なんでしょうか

二つ目の理由は意外にも食用です。
鱗茎の毒は水に溶けるので、水にさらせば、毒は消えます。
人間が食べられるんです。

ここまでは調べれば書いてあるんですが
私はもうひとつ理由がある気がします。
観賞用です。
とてもきれいな花ですからね
昔の人も観賞用に増やそうと思ったんじゃないでしょうか。

自分で
今まで、人が増やしたという事を言って来ましたが
彼岸花の気持ちになって考えて
最初からそれだけを狙ってた訳じゃないでしょう、と思う。

人が増やしたかも知れないけどあくまでも結果論

どうも分球の仕方に技を持っている

たまたま、土が運ばれて、小さな分球が他の場所に埋まったとします。
翌年地表近くに茎が伸び、地表近くに鱗茎を作ることができる
上下であれば、自由自在に動けるということです。

大きくなってきました。
そうすると分球します。
それを地表すれすれでやる
すると、地面より上に盛り上がり
小さいのはコロコロ
風で移動することだって出来るでしょう
おむすびコロリン状態

ある人の観察記録によると
ひとつが900個にまで分かれた例があるようです。

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

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