[天皇]100 後小松天皇。心を殺してまで

天皇シリーズはキリの良い第100代天皇となりました。
南北朝が統一された初めての天皇なので、そういう意味でも節目

現在が126代なので、あともうちょっと
時代的には室町時代の始まりで江戸時代も来ていないのに、もう100って不思議な感じがします。
このあとは、一人一人がかなり長く在位するからです。

一番大きな理由は、お金がないから

譲位して色んな儀式をするにも金がかかる
仕方ないなあ、行けるところまで行くか、って感じです

後小松天皇への譲位の時も大変でした。

後小松天皇

譲位
どんどん支配を強めていく足利義満
北朝5代後円融天皇としては、できれば抵抗したい

でも、完全に決裂できない理由がありました。
朝廷内での派閥争いがあるため
早い段階で自分の息子に譲位してしまい
天皇の系統を自分の系統で確立してしまいたい
義満の後押しが欲しい

次は後円融の息子という事で行きましょう
と言ってもらえませんか

義満としては、
はあ
何で私がそんな事言わなきゃいけないの?

後円融の息子が候補者の中で一番年長だし
他の条件を考えてもゆらぎない
何も言わなくったってそうなる

どうしても言え、と言うなら言いますけど

後円融天皇のお考えの通り、進めていただいて構いません

ほっとひと安心

ところが、精神が壊れていっている時なので
数年後、同じことを頼む

しつこい。既に言ったよね

後円融天皇としては、不安で不安でたまらないので
もっと明確に、さらに公の形で言って欲しい

ハイハイ
次は後円融天皇の息子ね

ここ弱味だな、と分かっちゃったので
よし、利用してやれ

えーっと、即位式をやりたいんですが

ああ、良いんじゃない

つきましてはお金がですね

今のお金にすると1億円くらいでしょうか
義満はどでかいお寺を建てようとしていたので
それと比べれば、はした金
でも朝廷側では、それすら出せない

良いよ

ところが、いつまでたっても、そのお金が渡ってこない

壊れていく後円融天皇

義満さん、即位式の取り仕切りを色々お願いしたいんですが

それは違うんじゃないですか
朝廷の一番大切な儀式ですから

ごもっとも
でも、実際には朝廷の人材を直接管理しているのは義満だから
義満が関与せずには何にもできない
分かっていながらの発言

本来おかしい事も、天皇の口から「そこを何とか」と言わせてしまえば
全て大義名分が立つ

結局全て義満が天皇に言われて「いやいややる」形を作り上げた。

当日の朝、後小松はまた普段の住居から義満の家に移され、
改めて義満の家から、義満と同じ車に乗って出発し、式場の太政官庁に入った
義満は、高御座を囲む帳の中まで入り込み、後小松を手取り足取り介助した
異例どころではない。あり得ない

その日、後円融はというと、会場に来もしなかった
即位式に来ない上皇などどこにいるだろうか
それじゃ譲位にならない
自分の心を殺してまで譲って譲って勝ち得たことなのに

今回、後小松天皇については即位までだったので
次回は続けて、即位後の話をします。

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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