あれっ、征露丸? 正露丸じゃないの?

今度は征露丸です

日露戦争
征露丸は日露戦争の時に兵隊さんに持たせた。
だから征露丸
でも、その名前じゃいくらなんでもまずいということで名前を変えた。

こんなふうにどこかで読んだ記憶が有りました。

ってことで、
本に出てきても、
はい、知ってまーす。

でも読んでいくと、あれれって事になりました。

開発
征露丸は軍医さんが開発した

日露戦争当時、兵隊さんの間で赤痢がはやってしまった
なんと日露戦争で亡くなったのは戦争による被害が約21万人に対して
病死が22万人と、病死の方が多い

開発された丸薬は相当の威力を発揮する
ただ、最初の頃は、あまりの苦さになかなか飲もうとしなかった
困った司令官たちは会議を開いて
明治天皇からの命令で服用するようにとの通達
だから、征露丸という名にしたんですね
そうなるとみんな素直に我先にと飲むようになります

時代は変わって、太平洋戦争敗戦後
マッカーサーが厚木に降り立った後、
程なくこの時のエピソードを耳にします。

これだけではないと思いますが
強烈にマッカーサーの印象に残り、
天皇陛下が国民の精神の中にどう息づいているのかを実感する
一つの要素になります。
で、天皇陛下は死刑にならなかったし、
象徴という形で天皇制は残る

征露丸は、兵士だけでなく、
天皇陛下すらも救ったという事になります

大人気
服用しだすとその威力に、大人気となります。
人気ぶりに今度は生産が追いつかなくなります。
貴重品になり、征露丸ひと粒と鶏一頭を交換したという記録も残っているほど

太平洋戦争後
さあ、また、太平洋戦争後に戻ります。
敗戦国となると征露丸はやはりまずいでしょうと
正露丸に変わる

ところで、正露丸って、実に30社もの製薬会社から発売されている。
なんでかというと、その経緯でお分かりいただけると思います。

元々、特定の製薬会社が開発したものではない
いわば国が開発したもの
名前も国が決めたもの

正露丸はみんなのものですね、ってことで
ただですね
そこでも色んなトラブルがある。

いえいえ、元々うちが、と言っているのが
ラッパのマークのと、しきりにコマーシャルを流しているのが
大幸薬品

一度、訴訟で負けちゃってます。
正露丸は普通名詞です、との判決が出ている。

仕方ないので、大幸薬品としては
30社もある正露丸と区別してもらうために
ラッパのマークを強調し、
パッパカパッパ、パッパカパッパ、パーッパパッパ、パッパッパッパ
とラッパの音をしきりに流すことになる

征露丸
昭和レトロ商店街、の著者、町田忍さんは
ほとんどの正露丸を持っている

そしてなんと、征露丸を見つける
正露丸ではなく征露丸
今この時期に見つけた征露丸

びっくりして、すぐに問い合わせる

実際に会社まで言っちゃったというから、大したもんです。

出迎えたのが社長さん

うちは、一時期正露丸にしましたが
やっぱり征露丸に戻しましたとのこと
気合入っとります。

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正露丸の思い出
正露丸と聞いて蘇った思い出があります。
うちの近くの神戸は須磨区の「須磨の水族館」
地元では有名な水族館です。

遠足で行きました。
親も一緒だったので、幼稚園だったのかもしれません。

急に、歯が痛くなってきました。
残念ながら戦線離脱

須磨の街を親と共にひたすらに薬局を探しまわる
歯痛というと、正露丸となぜか決まっていたので
苦いよなあ、でも痛いしなあと思い、
痛いよー、というかわりに
セイロガーンと言いながら、街のなかをさまよいました。

その後どうなったかまでは覚えてないのですが
私にとっては、須磨の水族館、イコール、正露丸です。

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