凡河内躬恒、こころあてに~

心あてに 折らばや折らむ 初霜の
をきまどはせる 白菊の花

あてずっぽうに折ってみようか。
一面に降りた初霜で
どちらがどちらか見分けにくくなっている白菊の花を。

凡河内躬恒
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)短歌の世界では紀貫之と並ぶ
ひょっとするとそれ以上の大スターらしいです。

古今和歌集の撰者になってます。
ネットで調べても出てくる短歌の数の多いこと多いこと。

地位は高くないんですよね。
短歌だけで超売れっ子。

読み方が難しいから、ふりがながふってないと二度と読めませんね。
ああ、あの読み方の難しい人ね。

特に、即興で読むのを得意としていた。

醍醐天皇が
なぜ月は弓張というのかねえ
と言ったら

即興で歌で返しちゃった。
照る月をゆみ張としもいふことは山の端さして入(射)ればなりけり

照っている月を弓張というのは、
山の稜線に向かって矢を射るように、
月が沈んでいくからです

人生生まれてこの方
質問に短歌で返した人を見たことがない。

今度娘がボケたら、突っ込みは短歌で返してみようかな
って
できるかっ!

歌の内容
白い初霜のなかに白い菊
えっ、どれが菊?
折ってみたら分かるかな
えいっ
おっと空振り
違ってたかぁ

もう、迷わそうとして、白菊ったらぁ

というのが歌の内容

そんなばかな
白菊は分かるでしょ
ましてや一面の雪でもなく
霜でしょ。

というのが
凡人ですね。

風流のなんたるかが分かっている
売れっ子歌人になりますと
白と白というだけでここまでの世界観になるんですね。
恐れ入りました。

頭で情景を思い浮かべると
何とも言えない
透明感と言いますか
ひんやり感で
清々しい気持ちになります。

凡河内躬恒、こころあてに~」への1件のフィードバック

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