[昭和歌謡]14 女ひとり

昭和ヒット曲全147曲の真実、シリーズです。

女ひとり
デュークエイセス
作詞 永六輔 作曲 いずみたく

出たっ。永さん
まだまだ、永さん大好きモードです。
この歌、一番永さんらしい感じがする。
永さんは、江戸っ子だけどね。

♪京都大原三千院 恋に疲れた女がひとり

何回、口ずさんだろう。
決まってここまで。

次はこんなんですって。

結城に塩瀬の素描(すがき)の帯が、池の水面に揺れていた。

なんだかさっぱり分からないけど、永さんらしいなあ

京都で女ひとり、着物着てるんですよ。
こりゃもう、100%男が悪いでしょう。

京都の思い出
高校まで、兵庫県だったので
友達と、今度の日曜、どっか行こうか、となったら
何度か京都に行った。

高校生でもお小遣いの範囲で何とかなる交通費。

金閣寺とかのキンキラの観光地はなんだか気が引けて
でっかいけど、落ち着いた感じの南禅寺が好きだった。

京都のお寺のくせして、全然観光客を相手にしていない
幼稚園を併設しているようなお寺が
何だか良いよね
とか言って、いくつか回った。

そんなとき、友達が財布を無くしちゃった。

ええっ ほんまか
僕の方の所持金じゃ
二人分の帰りの電車賃にはちょっと足りない。

こういう、トラブルがあったときの旅行って
何十年経っても忘れないよね。
すんなり、綺麗なもん見て、美味しいもん食べただけじゃ
すぐ記憶の彼方。

何のあてもなく、解決策を考える糸口さえないままに
ぼうっと、そのお寺の境内に座っていた。

さすがに一時間以上も、観光地でもなんでもない、お寺の境内に
高校生が女ひとりならぬ「男ふたり」で座ってたら変ですよね。

そこの和尚さんが声をかけてくれた。

いやあ、これこれこうで。

そうでしたか。
これも何かの縁
これで足りるかな
返さなくても良いからね

と、お金を渡してくれた。

大感激。

帰って、即、親に話したら菓子折り買ってきてくれて
これと一緒にすぐお返ししよう。

すると、和尚さんから
筆で書いた、達筆な手紙。
漢文とかも引用しながら
感激しましたと。

いやあ。それはこっちです。

もうひとつ
もうひとつの京都の思い出は、大学受験の時
立命館だったのかな
帰り、友達だったか家族だったか記憶が曖昧なんだけど
誰かと京都の駅近くの喫茶店のようなレストランのような店に入った。

ピザ、とかいうのが、メニューにあった。

なんやろこれ
お好みみたいやけど、おそらくちゃうんやろな。
豚玉とかないし。
食べてみよか。
せっかく京都に来たんやし。

テーブルの上に、西洋お好みと共に赤い細長い瓶が置かれた。
わざわざ、ちっちゃい紙がついてきて

「かけすぎないようにしてください」

なんやろな
謎やな、これ。
ケチャップとは違うんやろな。

かけすぎないように、っちゅうたって
これ、全然出てけえへんぞ

さっきからずっと振ってんのに
ちょぺ ちょぺ
ああ、みみっちい。
赤う ならへん。

一口食べて

ひいいいい

なにこれ
西洋人は、どんなお好み食べてんねん。
黒船到来かっ

産まれて初めてのピザは
タバスコの味しかしなかった。

帰りの電車の中、ずっと
口の中が大火事だった。

いまだに、京都と言えば、すぐ思い出すのが大火事ピザ。

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