[徳川名参謀]15 慶喜→島津久光2

島津久光の続きになります
前回はこちら

大挙、江戸へ行って、主張を通しちゃったところでした。

生麦事件
その江戸からの帰り道
こういうことが起きるとは

こういうところから歴史って動いていきますよねえ

ウォーキングイベントで見てきましたよ
生麦事件の現場

必ずしもこっちが全面的に悪いとは言い切れない気がする。
馬頭観音の時も言ったけど
日本で当時、馬ってお友達
乗るものじゃなく、荷物を乗せて引くもの。
もし乗ったとしても、街道でちょっとでも人が増えてきたら
迷惑にならないようにすぐに降りるのがマナー
だから、飛脚も馬を使っていないのね。

イギリスは競馬発祥の国だから、馬はもちろん乗って楽しむもの

お互いの文化を理解しなきゃって事だけど
前から行列来たら、国だの文化だの関係無く、馬は降りなきゃね。

ただ、だからといって殺しちゃダメだよね
取り押さえて、次から気をつけてね、ってレベル。

切り捨て御免、って5代綱吉の時以来禁止されていて、殺したら罪になる
現実にそれ以来ほとんど切り捨て御免は行われていない。

案の定、えらい大問題に発展する。
下手すりゃ戦争

薩英戦争
その「下手すりゃ」になっちゃった。

薩摩にイギリスが攻めてきた。

大砲の射程距離が違いすぎるので
もう少しかかってたらかなり危なかったんだけど
まあ、これくらいで許してやるか
と、横浜に戻っちゃった。

幸運はあって、大荒れの強風
そういうときに船は不利

もし、上陸とかされてたら
薩摩はイギリスの植民地になっていた?

さあここから「幕末の不思議」
慶喜が江戸に逃げ帰ったのと、薩摩とイギリスのその後

薩摩は、攘夷はとても無理だと開国に大きく方向転換
昨日の敵は今日の友
薩摩とイギリスは急速に距離を縮め盟友関係になる。

はあ?
ちょっとちょっと
そんなことある?
昨日の敵は今日の友、ってそんな一言で済ませないでよ。

誰よ
そんなに急に、敵と握手しようとする
超ブラボーな発想した人は。

3回の交渉で一歩も引かなかったのは
重野安繹(やすつぐ)

一連のこの不思議な流れ
ひとつのキーワードが見えてくる

お金

イギリスは、薩摩を植民地にしたいとか、戦争に勝ちたいとかじゃなく
お金が欲しい。

生麦事件のべらぼうな賠償金
幕府と、薩摩の両方に払えと言ってきているんだけど
幕府の方は結構あっさり払った。
分割なんだけどね。

それに比べてなかなか払おうとしない薩摩に、攻め入るポーズで威圧。

最初に大砲撃ったのは薩摩の方なんだけど
それから、2時間もの間、イギリスは大砲を撃っていない。
その間何をしていたか
薩摩の船を奪いその中の物資を根こそぎ運び出す
そんなことに2時間もかけている。

そして、早く引き揚げた理由は
幕府からせしめた大金をそのまま積んでいたから
万が一船が沈んだら大損。

戦争よりお金。

これいけるぞと踏んだのが、重野
うちの船から奪った物資を返せ
徹底的にそこを突く

そして、3回目
生麦事件の賠償金は払いましょう
事件の犯人も見つけ次第処刑しましょう
(実はその後逃げちゃったといってうやむやにしている)
で、最後の手打ちの決め手。

こんなんでどうでしょう
おたくから軍艦買わしてもらいます。

戦争の相手から、軍艦買う?
思えば、最高の手打ち
これで両国の戦争は、絶対にない。

なんだか不思議な気もする、イギリスの金第一主義ですが
実はイギリスって、国家というより、
実態はイギリス東インド会社という世界史の教科書でお馴染みの会社なんです。

でも、薩摩にそんな金がよくありましたね
いえいえ、久光はある行動に出る

約束はしたけど、払う金がない。
まずいなあ
これ払わなきゃ、また攻めて来るかなあ
今度は江戸かなあ
ねえ、幕府さん。
すぐ返すから金貸して!

攘夷から開国へと、大きくシフトチェンジしたと言いましたが
もう一つ、大きく久光の頭の中である考えが浮かぶ

そうだ、幕府倒そう
そしたら、金返さなくていい。

幕府から借りた金で、軍艦を買い、その軍艦で幕府を倒す。
なかなかできる発想じゃありません。

この続きはまた次回。

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