[百人一首]62 番外編 枕草子は、負け組の生きざま

百人一首の清少納言の番外編の二つ目
清少納言の書いた、枕草子になります。

枕草子とは
枕草子、ってそもそもどういう事か
今回、初めて分かったんだけど

「枕についての座談会の議事録」なんですね

百人一首をやっていて、良く出てくる「枕」という概念
慣れるまでにずいぶんかかっているんだけど
現代の言葉で言うと「お約束」とか、「イメージを引き出すキーワード」とかかな

枕詞(まくらことば)ってありますね。
たらちねの、は母にかかる枕詞

歌枕、というのもあって
一言で言うと全国各地の名所なんだけど

短歌って短い言葉で、読み手にイメージを描いてもらわないといけないから
こういう言葉が出てきたら
こういう風にイメージしてねって
数多くの短歌に出てくる常連さんの言葉が
多くの用例にもとづいて、訴えかけてくる。
それが枕。

ねえ、枕の言い合いっこしない?

中宮定子がみんなに

春ってどうかしら

春ってあけぼのよね。

やうやう白くなりゆく山際なんて、趣あるわね
いえるぅ
少し明るくなってくるところ

紫だちたる雲の細くたなびいたりして、もう最高!

難しく言うと、枕をイメージする練習なんだけど
早い話が、わいわいがやがやのガールズトーク
でも、中宮定子が中心になっているので、深い教養がベースになっている
ただ笑かしゃいいわけではないけど、
楽しく笑い合える要素が必要。

それが「をかし」

清少納言って、普通に作家として、枕草子を書いた人だと思っていたけど
もちろん、それで間違いではないんだけど
ただの書記役。議事録係。
清少納言的スパイスはパラパラかかっているんだけどね。

状況
状況的には、かなりまずい。
中宮彰子の勝ち組に対して、明らかに負け組
お兄さんの失態をうけ、いつどこかに飛ばされてもおかしくない。

藤原道長は、その口実を常に探っている。

もちろん、そこに仕える女たちも、いつリストラされてもおかしくない。

普通に考えると、笑い合っている場合じゃない。

でも
だから

うつむいてたまるか
負け組には負け組の生きざまがある
笑い飛ばしてやるんだ
何もかもを。

この楽しいひとときを
この楽しいみんなの会話を
草子にして残しておきたい。
どっこい、ここにいるよという軌跡。

清ちゃん
議事録頼むわよ

それが枕草子。

読みました
ちゃんとお金出して、枕草子読みましたよ。
まだ全部じゃないけどね。

当時の流行的なこととかもわからないので
感覚は分かりづらいけど
楽しもうとしている事は良く分かる。

二人目を出産するために
宮中を離れ
大進生昌(だいじんなりまさ)の家に寄せてもらいに行くときも
微塵も寂しさを感じさせない。
大進生昌とのやり取りに、誇りすら感じる。

年下の中宮定子に対する尊敬の念もよくわかるし
本当に好きだったんだろうなと思う。

大丈夫だよ
中宮定子、清少納言、その楽しい仲間たち
君たちは負け組じゃない。

1000年以上も先の人達が
学校の教科書ってやつで
みんな、「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山際」
って暗記しているくらいだからね。

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