巫女さん入門(初級編)

巫女(みこ)さん入門(初級編)という本を買いました。

このタイトル、抜群ですね。

「夫は犬だと思えば良い」、以来の秀逸なタイトル

手にとってパラパラめくると
何と発行元が神田明神
すごいっ
二つしかない天下祭りの一つの神田明神ですから
抜群の由緒正しさ

前書き
前書きにも驚かされました。

土地柄、神田明神を氏神(うじがみ)とする氏子(うじこ)は東京の中心地を広く網羅するんだけど
秋葉原もその一つ

ご存じ、萌え文化で、コスプレの巫女さんがちらほら
基本的にはその人たちには批判的ではなく、歓迎の視点で見るようなんだけど

一方で
ならば、巫女さんってこうなんですよ
というちゃんとしたところも伝えておかなければと思ったらしい。

お休みの時期に、
巫女さん体験講座を開催

すると、予想以上の大反響
何度かやってもいつも評判が良く
一部にお断りせざるを得ないくらいに

申し訳ないので
体験講座のテキストにも使えて
お断りせざるを得なかった人にも読んでいただけるよう
本にしよう。

そういう経緯だったんですね

となると
こっちも、立派な巫女さんになれるよう
襟を正して読みませんとね。

という訳で
巫女さん入門の始まり始まり~

神道と神社
巫女さんは、神社に所属し、神様を祀る「神事」に奉仕する女性です。
では、神道とか、神社って何でしょう。

巫女さんという職業を通じながら
神道というものを理解していきましょうということになります。

神道って、この本でもことあるごとに出てくるキーワード
「日本の文化」なんでしょう
宗教というにはちょっとニュアンスが違うんだと思います。
信仰ではあっても、宗教ではない

神道というのは日本古来からの「八百万(やおよろず)の神」を祀る民族信仰。
千と千尋の神隠しでも出てきました
色んな神様。

「宗教」にありがちな唯一絶対の神、みたいなのがいるわけじゃない。
でも、ギリシャ神話や、インドの神話でも
人間味のある神様が登場するので日本に特有とも言い切れない
少数の人が作り上げた宗教ではなく、自然発生的に民衆の中から生まれてきた信仰。

こんなのも信仰の対象、こっちも、となっているうちに
八百万になっちゃった。

一つには自然
山だったり、石だったり、木だったり、滝だったり、森だったり

人間が自然の何かと向き合って
自分の力にはない何かを感じたとき
すごい、となるのか、恐い、となるのか

そう感じた気持ちを大切にしたいから
手を合わせるというような
信仰的表現をしたんでしょう。

二つには祖先
次回以降で、神道の4つの特色をちゃんとお話ししていきますが
その一つ目に「敬神崇祖」というのがあります。
神様を敬い、祖先を崇(あが)める
今の自分があるのは誰のお陰かという
分かりやすい「ありがたい」存在を大切にしよう。

それらの大切にしたいという表現方法が
長い間の中で淘汰されながら
お辞儀をする、手を合わせるといった処作に始まって
儀式的なものになっていった。

そして、これまた自然発生的に「神様」という擬人的なキャラクターになって
形作られていく。

ある時それを文字に表し、まとめておきましょう
となったのが、「古事記」であり「日本書紀」なわけです。


古事記等に表現された、神々を「中心に」
信仰を文化として継承していきましょう
というのが、神道

あくまでも、日本神話の神々をそれだけを、信仰するわけではなく
元々、神話が出来る前に神様だった石や木や森なんかも、そのまま神様だし
祖先も神様です。

とってもファジーなので
ある意味何でもOK

確かに「古事記」「日本書紀」は天皇の系譜を神格化するという
意図的なものを持ちつつ「天皇が」編纂したものだから
天皇色は出てしまうけど
ほんの一側面ということで良いと思う。

例えば、本の発行元、神田明神で言うと
祀られている神様は、三柱

神様って、一柱、二柱、三柱って数えるんですって。
そもそも神様を数えるって事自体
一神教ではあり得ないので面白いですね。

大黒様と恵比寿様と平将門様

大黒様は、神田明神では大己貴命(おおなむちのみこと)
大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名
恵比寿様は、少彦名命(すくなひこなのみこと)
ととらえているから、神話として問題ないけど

平将門は歴史上の人物で神話とは何の関係もない。

この本でどう説明しているかというと
人間を神が創造したと考える宗教と違って
神道では、祖先から産まれ、また産まれというふうに考えます。
だから祖先である平将門も神様になりえるのです。

なんともすばらしいファジーぶりです。
自分とは関係無い祖先まで、全員神様の資格ありとなると
ホントに何でもOKです。

いくつか例をあげると
一番有名なのは、菅原道真、天神様です。
徳川家康、吉田松陰、明治天皇、松下幸之助等々。

平将門は関東の人にとってみればヒーローだけど
朝廷に滅ぼされた「負けた」方
判官びいき的にたまりませんね

この本の表現で面白いと思ったのは
神様って、同時期に複数の場所に同じ神様が存在しえる。

例えば、キリスト教とかの一神教だと、どっかあるところに神様がいて
例えば十字架とかを見ながら、それを通じて神様のことを思う、ってことなんだろうけど

神道の場合は、神社のその場所にいる
全国いろんな神社で同じ、例えば天神様を祀れば、あっちでもこっちでも同じ神様がいる。
分身の術ですね。

失礼
肝心の巫女さんの話の前の神道の話が長くなりすぎました。

次回も巫女さんを通じつつ、神道の話になっちゃうかもしれませんが。

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