日本庭園の、生け垣と刈り込み

生け垣
出ました、生け垣

庭園からのアプローチではなく
「木」からのアプローチでも、生け垣って大きなテーマ

歩いていて、木を楽しもうとすると
まず一番手っとり早いのが、生け垣と街路樹

それぞれ、使われる木が違う
生け垣に落葉樹とか使っちゃったらスカスカになっちゃいますから

住宅街は生け垣だらけです。

刈込
庭園は自然を模しているわけです
これは、二つの事を意味しています

ひとつは、出来るだけ自然を再現しようと言うこと
ただ、全く自然のままならば、自然を見れば良いわけです。
自然を持ってきて、より美しく見せる
すなわち、自然に手を入れて初めて庭園
自然のままなら、ぼうぼうです。

この相矛盾する二つは永遠の課題です。

刈り込みは
一見それと分からぬほどの、自然なものから
きっちり刈り込まれたものまで色んなレベルがあり得ます。

自然なものが大刈り込み
きっちり刈り込まれているのが小刈り込みです。

室町時代は大刈り込みです。
刈り込む事で、下まで日が当たるよう、葉や枝を適度に落とす。
木の健康増進です。
ここで、重要なことは
刈り込みしたことを悟られないということ。
あくまでもコンセプトは自然。

不思議です。

日本の庭園なら
大刈り込みだけな筈です。

日本の庭園は、自然に無いものは違和感を覚えるから
左右対称とか、直線とか無いし、水は上から下、石は出来るだけ加工しない
西洋の庭園は、自然に無いものこそを作り出した喜びを感じるから
左右対称、直線、水は下から上、石は彫刻してから置く

この大原則からすると、小刈込は
異端児であり、裏切りもん

でも、江戸時代に大流行しています。



特に、ツツジやサツキは小刈込は必須ですね

調べて見ると面白い事が分かりました。

小堀遠州
小刈込を始めたのは、幕府の作事奉行、小堀遠州
江戸時代が始まってすぐの頃に
後陽成天皇が宣教師に対して
「宮廷付工人」であった遠州へ

西洋の庭園の技術を教えてあげて

イエッサー

1611年、遠州の造営したの寛永度内裏に花壇や刈込が突如出現した

当時、まだキリスト教は禁じられていなかったし
鎖国でもなかった。

ギリギリセーフです。

それ以降、低木は小刈込というのが当然のように定着します。
おそらくみんな西洋に教えてもらったと知らずに
人工的な美しさも、それはそれでアリだと思っちゃったし
これぞ日本庭園、とまで思うようになった。

日本庭園を見て、いつも
いやあ、日本人に生まれて良かったなあ
この本当の良さは外国人には分かるまい
と思うわけですが

今後は、ちょっと思い方を変えないといけません

いやあ、この良さは外国人には分かるまい(小刈込を除く)

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ツリフネソウ

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