前回までの庭園シリーズでは、垣の話をしました
日本庭園の、生け垣と刈り込み
同じく境目を区切るものとして、塀もあります
塀と垣ってどう違うんでしょう
パッと頭に浮かぶイメージとしては全く違います
生け垣と、土塀は明らかに違うとして
竹は垣で、木は塀という境が微妙
改めて、どこからどこまでが塀で、どこからどこまでが垣かと言われると
うーん
垣が庭園の自然と調和し、竹や柴などの柔質な材料で作られるのに対し
塀は自然を引き立てるような板や漆喰、瓦などの硬質な素材で作られる
なるほど
庭園の一員として、中で調和するのが垣で
周りでガッチリガードを固めた上で、庭園の引き立て役になるのが塀か
いつも悪いねえ、引き立て役で
今後も助けてくれるかい?
へいっ
塀
都で戦乱の少なかった平安時代に作られた寝殿造り系庭園では、
比較的柔らかな、板で作られたに板葺きの屋根をふいた「立蔀(たてじとみ)」と言われる塀
ただ、木で出来ているので、雨風や、火災にも弱く、あまり実用的ではありませんでした。
浄土式庭園として、阿弥陀堂を中心とした、寺院の庭園になると
寺院の建築様式に沿っていくことになります
漆喰の間仕切り壁の上に、瓦屋根をふいた瓦塀(瓦塀)が用いられるようになりました
武士が台頭してきた時代に、書院造り系庭園になりますが
攻められないよう、耐久性の高い塀で囲むことになります。
さらに、耐久性を高めたものが、築地塀(ついじべい)
粘土を打ち固めた上に、瓦や杮(こけら)でふいた塀
紛らわしいんだけど
瓦を横にして練り込んだとてもかっこいい塀は
瓦塀とも築地塀とも呼ぶようです。
さりげなく、杮(こけら)って出てきたけど何?
上にカキを乗っけるの?
塀なのに垣(カキ)?
と疑問が沸きました。
調べましたよ
こんなのが、杮(こけら)
なるほど、見たことあります。板で瓦みたいになっている。
何で柿って書いて、こけらと読むの?
違うんですって
こういうからくり
あらま、抜き通っている。
京都の龍安寺石庭、瓦葺きの塀でした。
ところが、1951年の解体調査の際、
塀の中から、もとは柿葺きだった痕跡が見つかった。
ということで
1977年から、柿葺きに変更
やっぱり景観と馴染むなあ。