[神社] 八幡神社が一番多い理由、その2

[神社] 八幡神社が一番多い理由、その1
の続きです。

全国へ
歴史上とても大きな出来事が起きます。

聖武天皇の登場です。
仏教に帰依し、大プロジェクトを計画します。

奈良に大仏を建立し、
そこを中心にした仏教による国家統制
諸国を区分けし、その県庁所在地的なところに
県庁ならぬ、寺院を建てるべしとの大号令。

これは、聖徳太子のときの宣言どころではありません。
極めて大々的で実践的な仏教国家構想。

神社はもう存在価値がありません。

普通の神社は恐怖におののきますが
これをチャンスと考えた唯一の神社
そうです。八幡神です。

良いですねぇ
素晴らしいじゃないですか、大賛成。
大々的に協力させていただきます。

聖武天皇としてもほっと胸を撫で下ろしたんではないでしょうか

少し前に、八幡宮は官幣(かんぺい)というのを賜っています。
これによって完全に形式的にも、伊勢神宮と肩を並べたことになります。
その堂々のNo2が、反発すれば
寺と神社の全面戦争というのもあり得た訳です。

途中で金(きん)が足りなくなるや
分かりました。八幡宮が何とかしましょう。

八幡宮には全く頭が上がらなくなりました。

天平勝宝元(750)年11月19日には、八幡大神が奈良へと大行列を従えてやって来ます。
朝廷も大々的におもてなし。

ガッチリタッグ

全国の県庁に当たる国分寺・国分尼寺の横には
鎮守(ちんじゅ)と言うんですが、寺を守るための神社を全てセットで建設することになり
八幡宮が独占。

これによって、元々九州の一地方の神様だったのに
全国津々浦々に行き渡る神社となった訳です。

厭魅事件(えんみじけん)
もう怖いもんなし。イケイケだっ、
と言いたいところですが、ちょっと失敗

天平勝宝6(756)年11月24日ですから、奈良の大仏が出来たすぐあと
厭魅事件(えんみじけん)というのがおきます。

薬師寺の僧行信が八幡神宮の主神大神田麻呂らと共謀し、厭魅(呪詛)を行ったということで逮捕
現代人にはとても分かりにくい事件ですが
誰かを呪い殺そうとした殺人未遂事件です。

八幡宮の神主さんたちは流罪等々
せっかくの絶頂期が水の泡

ここで、八幡神は、お告げによって積極的に喋れるという特性を活かします。

私はけがらわしく、過ちがございました。
よって、反省するため、海の向こうの四国へ行って12年間謹慎してきます。
今回色々頂いた土地とかも返納します。

すぐに潔く、神様自らが、記者会見って事です。
神様なのに非を認めるってすごいですね。
しかも12年間も謹慎。
他の宗教なら神様が過ちをおかすって理論的にあり得ません。
もしこうしていなかったら、日の出の勢いだっただけに、やっかみから総スカンを喰らっていたかも。

12年間、宇佐八幡宮では神様自体がいないという異常事態を、力を合わせて乗りきります。

大事件
謹慎明け
厭魅事件を上回る大事件が起きます。
日本史の三大不思議のひとつに数えられるんじゃないでしょうか。

現代人の我々には全く理解不能です。

時の天皇は女帝。
称徳天皇です。

当時は今と違って、女性の天皇が認められています。
ところが、女系の天皇はダメ
すなわち、女性の天皇が産んだ子供は次期天皇とは認められない。
従って、女性の天皇は子供を産んじゃうと話がややこしくなるので、産んじゃダメと言われる。
結婚できないんです。

称徳天皇は愛した男性がいました。
道鏡というお坊さんです。

結婚できないとなると余計に募る恋心。

愛してるわ
僕もだよ

当然、世間では知らぬものはおりません。

宇佐八幡の主神(かんづかさ)習宜阿曾麻呂(すげのあそまろ)が
忖度(そんたく)したんでしょうね

私は八幡神のこんなお告げを聞きました。

道鏡を次の天皇にせよ。しからば世は安泰。

世の中上へ下への大騒ぎになります。
万世一系ということになっている天皇家の権威を守るため
結婚できないのどうのと言っているのに
そもそも、天皇家でも何でもない人を天皇に据えろと。

これってものすごいことですよね。
大騒ぎになるってことは
統治の仕組みの根本部分まで
八幡神が決められる権威と権限を持っていると
誰しもが認めている事になります。

称徳天皇は、和気清麻呂(わけのきよまろ)を呼んだ。

あなたが九州に行って、八幡神に直接聞いてきなさい。
分かっているわね
(と目配せ)
もし、吉報がもたらせるなら、あなたも出世させてあげようじゃないの。

和気清麻呂は、宇佐で、お告げを聞く

必ず、天皇の血筋を持ったものを天皇とすべし。

帰って報告
称徳天皇も道鏡も大激怒

お前は今日から、和気清麻呂ではなく、別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と名前を変えよ。
名前を変えさせられた上、流罪

何と言われようが、黒を白とは言えませんっ

翌年、称徳天皇崩御
名誉回復がなり、名前も戻ります。

2回に渡り書いてまいりましたが
まだ、宇佐八幡
このあと、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮とさらに大きく飛躍を遂げて参ります。

続きはシリーズの次回ね

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