[徳川名参謀]8 吉宗→松平乗邑。イエスマンでは終わらない

徳川名参謀シリーズです

8代将軍吉宗については
8代吉宗は、あれれ、なんで三段跳び?
8代吉宗は、ぶさいくが好き?
も見てね

吉宗
吉宗が将軍になれたいきさつは、過去のブログを見ていただくとして
名参謀シリーズで言うと
今までの大きな流れがどうなったか

将軍は、人事で大きく自分のカラーを出す、大原則から
前の間部詮房、新井白石コンビが採用されないのは分かるとして
側用人という仕組みをどうしたか

側用人は綱吉が自分のカラーを出すために
老中の政治を実質的にないがしろにする制度
綱吉は館林藩から来て、アウェーの中でやっていくための
苦肉の策。

でも、今までの慣習にとらわれずに、好きなように人材を登用できるから
自分のカラーを出したい将軍としてはとてもやりやすい仕組み
続く、6代7代も、間部詮房、新井白石という家柄アウトな人材を登用するため
仕組みとしては踏襲したことになる。

アウェーということで言うとこれ以上ないという吉宗
側用人の仕組みだけは踏襲?

吉宗は、
人事ではカラーを出すけどあとはお任せという従来タイプの将軍ではない。
ご存じの通りの暴れん坊

より自由にしやすい、側用人を使いそうなものですが

当時、側用人政治が続いたものだから
老中は逆に長期政権になっていた。
敢えて変える必要もないって感じ?

でも、長くやっているとそれなりに力も持ってくる。
土井政直、5代綱吉の時代から老中やってます。

吉宗は、土井政直を味方に取り込んで
将軍争いに勝ち抜こうと考えた。

土井政直は、条件を出す。
側用人を廃止してくれるなら

晴れて将軍になった吉宗
約束は守りましょう

側用人廃止!

さあ、老中の時代到来か

老中に大抜擢されたのが、松平乗邑(のりさと)
38歳。一般的には、老中になるのは50を越えてからだから
異例に近い

側用人を廃止して
装いも新たに新登場した役職がある。

御側御用取次(おそばごようとりつぎ)
役目は老中と将軍の取り次ぎ
紀州藩の時以来の側近が任ぜられた。

あれえ?
側ってついてますよ
バレバレなんですけど。

松平乗邑
松平乗邑って知ってます?
のりさとって読むんですね
私は今回、初めて知りました。

8代の名参謀は、大岡越前守忠相が出てくるものとばかり思っておりました。
あるいは、象

知名度ダントツで低いんじゃない?

でも、老中に就任前から、優秀さは知れ渡っていて
御三家は御家存続のため
それぞれ乗邑を養子にしようと目論んでいたのを
吉宗が根回しして、中央に持ってきた

大岡越前守忠相は、優秀なのは分かるけど
今で言うと
政府と東京都の関係で、東京都の方
将軍の参謀というのとはちょっと違う

乗邑の何が偉かったって
イエスマンじゃなかったってこと

吉宗は卑怯な手を使って、
側用人同等の仕組みでイエスマンを集め
自分のやりたいように政治を進める?

いえいえ、そこが吉宗の偉いとこ
老中 も 活かすんですね
乗邑という、しっかり自分の考え方を持った人を認め
仕事をさせていく

何をしたか
有名な享保の改革
後半は、乗邑が力を発揮している
特に経済に関わるものはそう。

足高の制、大阪米相場会所の設置、新田検地条目

関東の直轄領には、代官を通じて農民に菜種のの栽培を促している
享保の大飢饉を対策では、かなりきめ細かい指示をしている。
「イナゴの巣のありか」や「食中毒に効く食べ物」等が書かれた小冊子も配っている

あるとき、御側御取次が中心となって進められていた公共事業。
「そのような話など聞いていない」と受け取り拒否。
男の子っ

お役人がこんな風なのどう?
ってプランを出すとき
乗邑のところに持っていく。

乗邑が良いと言えば、吉宗はほぼ間違いなくOKだから

性格
超真面目で几帳面
気難しい反面、笑い方が良い
でっかい声でガッハガッハと笑う。

部下がプランを通したい時は
部屋の近くに偵察を出す。

笑ってたか
よし、今だ

茶の湯が大好き

順阿弥って茶坊主が、彼の茶会に招かれた時、
会席にて柚子味噌が出された事があった

柚子味噌、お庭の柚子で取れ立てで美味しかったです。

なんで分かったの

帰るとき見たら庭の柚子が減ってましたんで

おお、すごいな君は

誉められた順阿弥は有頂天

後日、幕府の集まりがあった際に、みんなの前でその話をする

急に乗邑が激怒
みんなの前でする話かっ

順阿弥くん、怒られたーと
今度は落ち込んじゃって、仕事に来なくなっちゃった

4~5日経って、乗邑

最近、順阿弥の姿を見ないね

病気で休んでるみたいです

早く良くなるように言っといて

はい、翌日から元気に仕事場に

趣味の一環として彼が残した茶器図録『三冊名物記』
その緻密さでは今までのものとは比べ物にならないほどだった

決定的なこと
吉宗と意見が違っても
いつも尊重してくれていた。

でも、決定的な事があった。

後継者問題。

長男は家重
その下に宗武(むねたけ)宗尹(むねただ)

今はやりの退位で、生前次に譲ろうとするんだけど
長男家重は
何ともはや、いかにもどうにも

吉宗も弱り果てる

宗武にしましょう。
正論言っちゃった。

お前に言われんでも分かっとる。

でもね
ここで、長男以外に譲っちゃうと
全国に範たる将軍家が、原則を崩しちゃったという事で
同様の問題を抱える諸範で
兄弟同士の骨肉の争いが起こっちゃう。

ここだけは、吉宗、頑として譲らなかった

そんなことがあっても、
今回は意見は違ったけど、乗邑のことは認めているからね
となるはずだった。

でも、良く良く考えると
その吉宗が引退して
家重になっちゃうということ

忘れてた。

家重からすると、乗邑は
自分を外そうとした憎き奴

吉宗が死ぬのを待って
はい、お払い箱

読み間違えちゃいましたね。

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