西郷隆盛。薩摩藩へ

西郷隆盛について書きました
西郷隆盛。なぜ江戸城総攻撃を中止したか

その続きです。

日当山温泉
新政府内でも何となく居場所がなくなり
自分でももういいや、ってことで、日当山温泉(ひなたやまおんせん)でゆっくり保養する

実は西南戦争で死ぬまでずっと、健康問題で悩まされる

二つあって、ひとつは太りすぎから来るもの
もうひとつは、島流しにされたときにかかった病気で
金のお玉さんが異常にでかい
馬とか全然乗れません。

ゆっくり保養と言っても、本人にすればかなり切実な健康回復です。

大久保利道は、どちらかというとやりたがりの方なので
西郷が出てくると厄介だなあという本音はある
まあ、そのままで

凱旋兵
元々、薩摩藩内で大勢を占めていた上級藩士たちの穏健派
西郷が中心になって盛り上げて行った下級武士を中心にした武力討幕派
西郷自身は、江戸総攻撃を中止した訳だけど
そのままの流れで、東北、北海道の戦いを彼らが勝利する

はっきり言って、藩の意向を無視して大きな成果をあげちゃった訳で
藩って何なの状態になります。
軍功を要求する凱旋兵たちの突き上げが日に日に強くなっていきます。

ちょっと、西郷さん
温泉浸かっている場合ですか
何か言ってくださいよ

藩側としても、西郷さんを
みんなを黙らせるために使いたい訳だけど
実質藩主、島津久光としては、西郷さんに頼みごとはしたくない。

仲が悪いんです。

実質藩主ってどういう意味かですが
久光は、大河で渡辺謙がやっている斉彬(なりあきら)の弟なんです。
斉彬は自分のあとを子供の忠義に継がせる

久光は後継者争いに負けるんだけど
忠義はまだ若く、かつとても人間が出来ていたので
久光を後見人にして
色々お願いしますね

すごく色んな事をやります。
その辺の事はこっちも読んでね
[徳川名参謀]15 慶喜→島津久光
[徳川名参謀]15 慶喜→島津久光2

中央集権化
新明治政府は急ピッチで中央集権化を進めていく

藩をなきものにしたい訳ですが
まずは版籍奉還

まだ廃藩置県ではなくその前段階

藩主が自ら、私はもう良いから
中央政府さんに権利を差し上げます。
その代わり私の身分は保証してね、っていうもの

抵抗すると思いきや
驚くほどみんなあっさり応じてしまいます。

唯一抵抗したのが
最実力者、久光
新政府は、ずっと、この久光対策で頭を悩ませることになります。

久光は、実質藩主なのですが
正式な藩主ではないというのが辛いところ

忠義が、良いよ、って言えば
これは仕方がないわけです。

藩の中の勢力争いと
中央政府との主導権争いで、ぐっちゃぐっちゃになっていきます。

大久保利道は中央に取られちゃってますから
もう、西郷を呼び戻すしかありません。

でも、仲悪いので
自分からは言えない。

で、かつぎだしたのが、正式な藩主、島津忠義な訳です。

忠義(ただよし)は大河で渡辺謙がやっている斉彬(なりあきら)の息子ね
忠義は、藩主の時の名前が茂久で明治になってすぐ改名します。
ややこしいので、今回、忠義で統一しますね。

忠義が自ら西郷のところに出向いて

戻ってきて力を貸してもらえんだろうか
(ごめんなさい、鹿児島弁分からん)

久光は大嫌いでも、忠義の事は大好き
わざわざ出向かれると、断る訳にはいかなくなります。

久光と西郷がなぜ仲悪いかを説明しようとすると
あまりにも時間がかかるので
とにかく仲悪いとだけご理解ください

藩に戻って良いことがないのは分かっています
久光とうまくやっていける訳がない。

最高責任者へ
それでも、任せられると何とかせねばと
仕事をしてしまうのが西郷

禄制改革を断行します。
お給料の大幅見直し
上級藩士のお給料をどどーんと下げ
下級藩士のお給料をどどーんと上げる

ああ、やっちゃった

当然、久光の取り巻きは上級藩士ですからね

中央政府の大久保としても
久光には散々苦しめられたので
西郷を薩摩藩の最高責任者に任命しちゃうんです。

少なくともこの頃はまだ、盟友ですから

な、なんだとおっ

ただ、気持ち的には、西郷は新政府をあんまりこころよく思っていない。
権力をかさにきての横暴な振る舞い
贅沢三昧の生活が目についていた頃でしたので

西郷は、清廉の人であります。

ここでは、まだ、藩政のみですが
次回、西郷も中央へ、というお話をしますね。

索引はこちら
[人物]シリーズはこちら(少し下げてね)

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