西郷隆盛。なぜ江戸城総攻撃を中止したか

西郷どん、面白いですね
大河ドラマは見る気が起きるのは幕末だけなのですが
篤姫、龍馬伝、に続き、今回も気合いを入れて見る事にいたしましょう。

知っている時代はむちゃくちゃ楽しいです。
おおっ、お由羅騒動や
みたいに
調所広郷良い芝居してたなあ

西郷隆盛は、極めて魅力的な人物ですよね
特に私がどうしても気になって仕方がないのが
なぜあんな最後を迎えねばならなかったのか

今度の大河ドラマはどういう描き方をするんでしょう

ということで、明治になってからに重きをおいた
「西郷隆盛の明治」という本を読みました。
文藝春秋臨時増刊号「西郷隆盛を知る」もね。
このあと、数回で、でーこん的西郷隆盛を書ければ良いなと思っています。

最初は、悲劇への始まり
隆盛のピーク、江戸城無血開城への勝海舟との会談から

強硬論
薩摩藩の中では幕府を武力で倒そうという強硬派(討幕)と
武力によらずに政権を覆そうという穏健派(倒幕)に分かれていた
実は、多くは穏健派だった。

最も強硬論を唱えていたのが、西郷隆盛
一般的イメージからすると逆かも知れませんね

少数派ではあっても強いリーダーシップを持っている西郷は
ぐいぐい仕事を進めていく。

鳥羽伏見の戦いに勝利した、新政府軍(東征大総督府)は
江戸へ向け、有栖川宮熾仁親王を先頭に進軍
その参謀として代表は、西郷
総攻撃の日を3/15と決定

その前の2日間、幕府側の代表、勝海舟と三田の薩摩藩邸で会談することとなった。

事前に山岡鉄舟が駿府の西郷の元へ来て
この案でお願いしたいとの提示は受けている

基本的には戦争する気満々の西郷にひとつ計算違いが起きた

バックアップしてもらっているイギリスの公使パークスが激怒しているという

事前に話聞いとらん
相手が恭順の意を示しているのに総攻撃とは
理屈が通らん

頭の中に、ちょっとまずいかも、という気持ちがよぎる

新政府側からの総攻撃中止の条件の一番主なものは、全面武装解除
全ての武器や軍艦等を引き渡せ

飲めないことが分かっていての条件提示

勝海舟個人として承諾したくとも
フランス軍の教えを受けて、近代戦法を学んだ幕府の陸軍海軍は
やってやろうじゃないの
の主戦論が圧倒的

勝海舟としては、総攻撃を受けたときの作戦も準備
自ら江戸中に火を放つというとんでもない作戦
その時に江戸市民を救うべく、フランスに船を出してくれるよう要請したが
こちらも断られている

13日は挨拶程度の儀礼的なものだけで
いよいよ総攻撃前日の14日

勝は、再度、案を提出
全部は無理なんですけど
これぐらいでなんとか

勝としても幕府内での意見をまとめたわけではなく
えいやあっ

条件は「全部」なので
西郷は、はい分かりました、となるわけがない

どうしたか

判断できません
持ち帰ります

この瞬間、翌日15日としては「中止」が決定された事になる

その後
新政府内では大騒動
どうした、西郷
お前が一番主張していたのではなかったか

西郷は、有栖川宮熾仁親王の待つ駿府へ出向いて協議
結論出ず。

引き続いて京都まで戻り
新政府の会議を開く

出た結論は
一旦全部没収
そのあと、幕府側で必要な分だけ返す。

4/5に江戸に戻り、幕府に提示する
4/10までに一旦全部引き渡してください。

小栗上野介を始めとした主戦論者たちは罷免
江戸城は約束通り引き渡せたんですがね

榎本武揚が、思い入れの強い軍艦を持って逃げるという
実力行使に出た。

約束違反です。
総攻撃になるはず。

ところが、総攻撃をしなかった。

もちろん、日本のためにはとても良かった訳です。
でも、理屈には合わない。

血気はやった面々から、西郷は猛烈な突き上げを喰らう。
出陣の号令をかけろっ

心の内
結局、なぜかって西郷の心の内にしか答はない

理由は分からない

それまで言い続けて来た事とは全く逆の態度
一番肝心な時に「動かない」を選択した。

パークスの件や
勝海舟への個人的な尊敬の念はあるにして
やっぱり分からない。

ただ、ここで一番重要なのは
現象としての結果じゃなかろうか
結果として、江戸は火の海にならなかった。

理屈とか、大義名分とか
そんなことで破滅に導く指導者でなくて良かったと思う。

でも、その代償はあって
次の彰義隊への総攻撃では外されてしまい
大村益次郎が指揮を取る

さらに次の戊辰戦争では新潟に駆け付けたときはもう終わりかけていたし
函館戦争に向かっても大勢は決していた。

まあいいや
本人も燃え尽きた感があって
薩摩藩に戻ると、温泉で療養
そのまま政治の世界からは引退するつもりだった

もし、それが出来ていれば
悲劇は起きなかったのに

続きはまた

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