[植木等]5 クレージーな猫たち完成

[植木等] 物語の始まり
[植木等]2 小学生が檀家を回ってお経
[植木等]3 いたんだねえ。あいつが
[植木等]4 コミックバンド?へえ、そう
の続きです。

シティスリッカーズ
フランキー堺がシティスリッカーズというコミックバンドを作ったんだけど
ギターに抜けられて困っちゃっていると言う

とにかく一回見に来るだけと言われて行った。
そこで、谷啓と桜井センリがいた。

フランキー堺が、
ありがとう。頼む。

急に日劇のステージにあげらされた。
譜面はどこにあるか分からない
仕方ないので、弾いている振り

だんだん飽きてきた
何だか手招きされる
何の意味だろう
どうせ一日限りの他人のバンド。どうでもいいや。
横にあったマラカスを持って前に出て、デタラメな歌を歌ってみた。

シャバダバタ ウー

バンドのメンバーもお客さんも大爆笑

いやあ、助かったよ。ぜひ来てくれよ。

すみません。自分のバンドがあるもんですから。

そちらを解散して、メンバーが全て行き先が決まるまで待つから、頼む

そこまで言うならと、入ることにした。
真面目なジャズからコミックバンドへの転身
それも意外にすんなり行った。

もともと人を楽しませるのは好きだったしね
谷啓と出会って友達になれたのが、何よりも大きかった。

シティスリッカーズは、越路吹雪やペギー葉山などの前座バンドとして
日劇に出ていた。

食うには困らず、少しずつ生活も上向いて行った。

お父さんが、家を買うから金を出せ、と言ってきた。
お母さんに先立たれたので寂しくなり、一緒に住もうと思ったらしい。

いくら?って聞いたら、70万円だって。
そんなにある訳ないだろう。

いくら貯金があるんだと聞いたから
6万円

何だたったそれだけしかないのか

じゃあ、親父は貯金いくらなんだよ

そんなの一銭もある訳ないだろう

結局何とか70万円を工面してその家に家族で住むことになった。
後日談だが、数年後、植木がテレビに出るようになり、人気が出ると
ファンがやって来るようになった。
煩わしいと思ったお父さんは、勝手に家を売っちゃった。
売れたのが420万円
たった数年で、350万円儲かった。

シティスリッカーズは他のバンドと一緒に地方回りもした。
良く一緒になるバンドが「シックスジョーズ」
渡辺晋がそのバンドのベースマンだった。

シティスリッカーズの演奏の時、決まって渡辺晋が一番前で見て大笑い

良く同じネタで毎回毎回大笑いできるなあ

そんな渡辺晋はマネージャーの曲直瀬(まなせ)美佐と結婚する。
3年間プロポーズし続けての結果だった。

関西で松竹芸能を立ち上げた勝さんに
僕はお笑いとかをやるから
晋さんは東京でジャズとかのプロダクションをやればいいのに。

渡辺晋と美佐が、芸能界というものを確立した渡辺プロダクションをスタートさせる

一方その頃、ハナ肇は、浜口庫之助の子飼いのバンドでドラムを叩いていた。
ところが正月いっぱいで解散、ってことになったから
自分でバンドを立ち上げた。
「ハナ肇とキューバンキャッツ」
メンバーは以下の通り

ドラム ハナ肇
ベース 犬塚弘
クラリネット 萩原哲晶
ピアノ 橋本光雄
テナーサックス 稲垣次郎
ヴォーカル 南晴子と筑波礼子

ある日、渡辺晋が、植木等と谷啓に言った。

ハナちゃんが、コミックバンドを組んだんだけど入らないか

「ハナ肇とキューバンキャッツ」は渡辺プロに所属していた。
そもそも渡辺プロに所属していたのは、
渡辺晋自体のシックスジョーズとキューバンキャッツの2組だけだった

ともかく一回見に来いよ

しつこく誘われて、植木等と谷啓は見に行った

ステージが終わって、谷啓に聞いた

おい、どうする?

う~ん。行こうかな。

えっ。

すんなりは行かなかった。
シティスリッカーズの所属事務所は、やくざまがいだった。

おまえたち、抜けるってことは無いよな

はい。とんでもないです。

植木は軽く答えたが
谷啓はそう言われるとむしろ反発して、とっとと移ってしまった。

おい、植木、いつ来るんだよ。

分かってる、もうちょっとだけ待ってくれ

何度も引き延ばし、とうとう一年

その間、キューバンキャッツは、なぜかクレージーキャッツと名前を変えていた。

メンバーも、数人入れ替わっており、植木等が加わった段階でのメンバーは

ドラム ハナ肇
ギター、ヴォーカル 植木等
トロンボーン 谷啓
ベース 犬塚弘
ピアノ 石橋エータロー
テナーサックス、クラリネット 安田伸

後に、石橋エータローが体を壊して、1年間休養
代わりに入ったのが、シティスリッカーズにいた桜井センリ
1年後、石橋エータローが復活した時、桜井センリもそのまま残留
ピアノが二人という不思議な形

それまで、色んなバンドを渡り歩いてきたメンバーたちだが
クレージーキャッツになってからは全く入れ替わっていない。
こんなに長く入れ替わりのないバンドはそうそうない。
さらに言うと、クレージーキャッツはいまだに解散していないのだ。

[人物]シリーズはこちら(少し下げてね)

[植木等]5 クレージーな猫たち完成」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: [植木等]8 スイスイスーダララッタ スラスラスイスイスイ | でーこんのあちこちコラム

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です