[人類]7 竹いかだ出発ーっ

[人類]1 日本人はどこから来たのか
[人類]2 ホモサピエンスの世界大拡散
[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
[人類]5 草の舟はどうだ
[人類]6 竹いかだはどうだ
の続きです。

出発ーっ
夜明け前の5時4分イラ号出航。さあ行け。目指すは緑島
強力な黒潮が流れているのは分かっているので
そのまま直線的に漕いで行けば、流されて着かない。

緑島は北東にあるが、南東へ向けて漕いで行こう。

順調に南東へ進む
3時間後、台東県と屛東県の境に達した時
伴走船が注意を受ける。
許可なく、県境を越えてはいけません。

えええっ
3万年前の想定なんですけど、それでもダメですか?

仕方なく東に進路を変えようとすると、いよいよ黒潮に流され出した。

後ろに見える陸地の角度から、流されていることを確認
いよいよ、本番だっ

11:50頃、内田沙希さんが、島影を見つける
見えたわ!

よっしゃあっ
漕ぐ手にいっそう力が入る

黒潮の流れがとても強くなってきた。
ダメだ
もっと南側に向けなきゃ
舵がうまく向かない

島影はどんどん大きくなるものの
島は向かって右へ右へ、すごいスピードで移っていってしまう。

見えているのに

はじめて本物の黒潮を体験した。
5人で懸命に漕いでも漕いでも島に寄れない。

18:30頃、緑島の沖10数キロのところで日没
原キャプテンの判断で、中止

伴走船に乗り込み、エンジンの力で戻る

どうやったら着けるんだろう、やればやるほど謎が深まる

草の船に続いて、竹の船でも駄目だった。

でも、一人も悲観しなかった
落胆より、感動の方が勝っていた。

大変な中に面白味があった
14時間も漕ぎ続けられた事に感動

彼らの中に、3万年前の祖先と同じ感情が芽生えてきたのかも知れない。

イラ2号
このままじゃ終われない

改善点を考える。
黒潮に負けない方法

重すぎるんじゃないか
抵抗を少なくするんだ

やってみて分かった、この辺の竹は無駄だ

竹の数を減らし、設計し直し

7本にした
ところが、浮かべて練習すると、沈み気味になり、
水が入ってきて、返って抵抗が増える。

2本増やして、9本にする
何ヵ月もかけて、良い竹を見つけては改良し
練習して、速度を計測する

ところが、イラ1号の速度を超えられない
さらに、割れるという竹の欠点が大きく浮上してきた。

竹いかだを知り尽くしているアミ族の長老たちに聞いても
結局は危ないので、遠くへいかないとの事
早く進む、遠くまで行く、というノウハウは見つけられなかった。

イラ2号
結局、出航のチャレンジを迎えずして断念

とうとう、残された1つの方法しかなくなった。

丸木船

3万年前の旧石器人は当時の道具技術で、大木を切り出し、
丸木船を作れたのか

まずはそこが大きな壁として立ちはだかる

続きはシリーズの次回ね

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[人類]6 竹いかだはどうだ

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[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
[人類]5 草の舟はどうだ
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草の船は失敗
それも、想像以上の失敗

再挑戦へむけて、失敗原因の分析が必要

色々調べて分かったのが、
当日、いつもとは違う潮の流れが起きていた事

改めて実感させられた「海は日によって違う」という事実

今回のチームは失敗だと分かったとき
現代の技術で帰還したが
当時はそんなものはない

完全に失敗すると命はないわけだから
おそらく日常的に海にでている人たちで
海の変化を即座に感じとる力があり
今日はダメだとなったとき、引き返せたのだろう。

やってみて分かったのは、草の船は向かないかもしれないということ
潮の流れに逆らいづらい

第二候補で挑戦だ
さらに、海も、最終目的である台湾から与那国島へのルートに変えることにした。

竹筏
竹は中空で水に浮くので、材料としては申し分ない

竹はいっぱいあるから、簡単に作れるだろう

アミ族の長老に話を聞いて、その考えは全く違っていることが分かった。
彼らの竹筏の製作法は実に丁寧で、
冬におこなう伐採から、前処理、加工、組み立ての工程が終わるまでに数ヵ月かかる
海における1シーズンの漁に持ちこたえる耐久性を与えるための智恵と工夫に満ちていた

とても太い竹を使うのだが
そもそも、3万年前の旧石器人が、石器で竹を切り出すことができるのか
まずはその実験からだった

竹はどんなに太くともシンプルな石器で切り出せる事が証明できた。
大きく前進。

アミ族が竹を縛るのは、籐を使っていた。
トゲだらけの皮を剥げば、籐細工の材料の籐になる
棒きれでものの10秒も叩けば、皮がつるんと剥けて、繊維質が出てくる。

アミ族の筏は絨毯型。沿岸で使うには適しているが、外洋ではスピードが出ない
大きくデザインを変えることにした。


出発準備
海を知り尽くしているアミ族の長たちに、いつ出航すればいいかを訪ねた

明日だ。明日しかない。それを逃せば、当分海が荒れて出られない。

えええっ。そんな急に
殺人的忙しさの一日を、スタッフ全員で助け合いながら奇跡的に間に合わせた。

出航!
目指すは台湾から緑島
目では確認できない。

最終目的は、与那国島だが、
黒潮を越えて見えない島を目指すという意味では、予行演習になる

さあ、どうだったのか
結果は、シリーズの次回ね

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[人類]5 草の舟はどうだ

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[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
[人類]4 草の舟が完成
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草の舟で漕ぎ出したところまででしたね

行けっ
本当は、7月14日の出航予定だったが、大型台風の影響で海が荒れていて、
静まるのを待つのに3日もかかった

報道人等、集まった人々にずっと待ってもらい、ようやく7月17日

行きましょうか

30時間分の水と食料を積み、6:53、
どぅなん号とシラス号が、西表島へ目指す航海に出発

この日の空は青かったが、雲が多く目標の西表島は見えなかった

最初の難関が立ちはだかる
カタブル浜の出口には珊瑚のリーフが発達していて、海底が浅くなる地形のため、
そのすぐ外に波が押し寄せている

行けっ、乗り越えろ

成功!
みんなガッツポーズ

少しずつ
スマホ等の最新機器は置いてきている。
目的が旧石器人の気持ちを感じる事だから

命をかけるチャレンジではありながら、本当に命をこの為になくすようなことになってはならない
GPSは搭載していて、乗組員以外は、どこにいるか見ることが出来る

乗組員達は、少しずつ予定のコースから外れているのでは、と感じ始めていた
西表島までまっすぐ行くのが予定のコース
予定通りだと振り返って見える与那国島の形は同じ筈なのに
少しずつ形が変わってきた。

北東へ流されている

目標の西表島は、あいかわらず見えない。
与那国島の位置、太陽、風向きなどを使って南東の方角を割り出し
懸命に修正を試みる
でも、見えてはいけない与那国島の北側の海岸が見えるようになってきた。

どぅなん号が遅れ出す。
出航前の相談で、なるべく一緒に行くことを決めていたので
シラス号は漕ぎをセーブしながら待ち
どぅなん号は追いつくために全く休憩が取れない状態になった

どぅなん号負けるな!

出発地から18.1km漕いだところで12時
与那国島が霞んで、島が見えなくなった
相変わらず西表島は見えない
自分の位置が分からなくなりつつあった。

当初の方針を一部撤回
位置情報を教えないはずだったが、無線で連絡を入れる

大きく北へ流されています。修正が必要です。

シラス号から連絡が入る
後方のどぅなん号を待ちながらでは潮の流れに流される一方です
単独でも向かいます。

シラス号は多少コースを修正できたが
それでも南へ向かうことは出来なかった。

苦渋の決断

中断
命には変えられない

困難な事は分かっていたが、
予想を遥かに超える厳しい結果
みんな頭を整理できずにいた

謎が深まった

一体、旧石器人達はどうやってこの海を渡ったのか
この謎に立ち向かうはずが、完全に押し戻されてしまった。

大失敗

多くの資金をクラウドファンディングで出資してもらっている

申し訳ない。何と言えば良いのか

出資者達から意外な声が上がった

「次が見たい」

ならば
反省と分析と
新たな行動計画だ!

続きはシリーズの次回

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[人類]4 草の舟が完成

[人類]1 日本人はどこから来たのか
[人類]2 ホモサピエンスの世界大拡散
[人類]3 なぜ海を渡る?考えても分からん。
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海部陽介先生は、沖縄ルートで自分で渡海して大変さを実感しようとした。
舟をどう作るか

残念ながら、旧石器時代の遺跡から舟が発見されたことはない
植物由来の材料だろうから、時と共に朽ち果ててしまう。
従って少し遠回りをする必要がある

過去の舟の例を時代別に出来るだけ多く集める
そうすると、縄文時代は丸木舟が最高の技術
板を組み合わせた舟はもっと後ということになる
帆についても何千年か前がせいぜいで
3万年以上前ということなら
風を帆で受けるのは考え難く、「人が漕いだ」と考えられる

3つの条件が考えられた
1.丸木舟の技術を超えない
2.その地域(台湾)で手に入る材料
3.海で使われた例がある

3つの候補に絞ってみる。
1.草束舟
2.竹筏舟
3.丸木舟

実際に作りながら、当時の道具で作れるかを実証していく。

作れるとなったら、海に漕ぎ出すぞ

草束舟
葦舟(あしぶね)と呼ばれる事が多い
材料は葦に限らず、浮力のある湿地に生える植物が多く使われる
世界各地でかなりポピュラーに作られている舟

製作道具は貝殻や石のナイフがあれば十分
製作工程としても、草を乾かして編むだけ

実際にヒメガマという植物が採れるので、作ってみよう
日本でただ一人の葦船職人である石川仁さんが指導してくれることになった

みんなでワイワイガヤガヤと楽しい製作作業が始まった

ただ、随所に、専門家でなければ分からないなあと思われるところもあった

草の束を束ねる紐は、トウツルモドキという植物を使った

製作途中で分かってきたのは、とてもキツい作業だということ

ここが、今回のプロジェクトの本質的な部分
舟を作って海を渡らなくても生きていける
なのになぜそんな大変な事をしたのか
イヤならやらなくて良いのだ

ひとつのヒントがみんなの気持ちの中に生まれた。

楽しい
爽快感
出来たときの達成感

ひょっとすると

完成!

海に浮かべてみる

当初の想像、「沈むんじゃないか」を大きく裏切ってくれた

浮力がすごい
さらに安定感がある

いきなり正解かも知れない

とはいえ、海に漕ぎ出してみないとやっぱり分からない。
漕ぐことの大変さも体験しなければ。

本当は台湾から与那国島に渡りたいのだが
いきなり国境越えはなかなかハードルが高いので
まずは与那国島から西表島へ

戦略が練られた
・西表島までの航海は、30時間ほどかかるだろう。つまり必ず夜が一度は来る。
・3万年前にない方位磁石や腕時計やGPSは持たず、
目標の西表島が目視できないときは、風やうねりや星から針路を探る古代航法で挑む。
・草束舟のキャプテンは安全のためにトランシーバーを持って伴走船と通信するが、
緊急時以外で、伴走船から草束舟に位置を教えたり、進むべき方角を指示することはない。
・各艇に乗るのは、男女を含む7人とする。
・旧石器人なら漕ぎ手の途中交替はできないので、それを原則とするが、
念のため伴走船には交代要員の漕ぎ手が控えている。
・潮の流れは北向きの可能性が高く、風も南から北へ吹いているので、
北へ流されることをどれだけ防げるかがポイントとなる。
そこで出航地は与那国島の南側にあるカタブル浜とし、
出航後はできるだけ南東へ船首を向けて、南へ下る。

出発進行ーっ

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