[名僧]鑑真できっちりしました。

名僧シリーズです。

鑑真(がんじん)
教科書で習ったような習わなかったような、ですね
奈良時代の僧については、名僧シリーズではこの、鑑真までと考えています。

天平5年(733)、栄叡・普照という2人の僧が遣唐使で唐に渡ります。

せっかく唐に来たんだから偉い僧にお会いしたいと鑑真を訪ねた。

話を聞くうちに感激し
おおっ。今の日本に必要なのはこの「戒と律」という考え方ではなかろうか

すみません。
何とか、どなたかに日本に来ていただき
私たちにお教えいただけませんでしょうか

図々しい願いではありますが
よほどこの二人が熱心に頼んだのでしょう
予想以上の答が帰ってきました。

そこまで言っていただけるのは、私としても嬉しい限りです。
分かりました。
私自身が日本に参りましょう。

心意気っ

実は、あまりに著名な先生であるが故に
中国から出てはいけないと決められています。

プロテクトですね

方法は、密航しかありません。

でも、当時の航海技術のレベルは極めて低いもので
いざ日本へと出発したもののあえなく失敗

大丈夫です。お気持ちだけで十分です。
と言っても、鑑真自身が納得しない。

一度決めた事ですから

機を改めて、また挑戦
失敗
また挑戦
また失敗

11年、5回挑戦し続けて6回目でやっと来日
何度か命の危険もあって
その中で、失明しちゃった。

これはもう、鑑真さんの方に足を向けて寝ちゃいけませんね。

戒律
日本の事情として言うと
聖武天皇が僧を国家公務員として、制度化しようというところまでは良かったが
具体的にどういう基準で何をすればOKというのがちゃんと決まっていなかった。

鑑真のような権威ある唐の先生が
色んな決め事を決めてくれ
はい、君はよし
君はもうちょっとね、ってことを進めてくれると
渡りに船
授戒と言います。

聖武天皇自身も、鑑真から授戒を受けています。

そのあと、僧達はこの免許センターのお陰で
とてもきっちりしました。

漢方
平安貴族の文化となっていく香合というお香を調合する技術を伝えたのも鑑真です。
さらに、薬というものがそもそも全くなかった日本に、漢方薬を伝えてくれたのも鑑真です。

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エリカ

花カレンダー始めました

[百人一首]99 その前に、後鳥羽院について

人も惜し 人も恨めし あぢきなく
世を思ふゆゑに 物思ふ身は

百人一首シリーズラスト2

名残惜しいので、ちょっとここで粘ってみることにしましょう。

この後話していきますが、百人一首には、目的のような結論のような歌がある
この第99首です。

この歌の作者、後鳥羽院は、
何故そこまで藤原定家が思い入れするほどだったのか

日本の歴史においても
「武者の世」が始まった保元の乱から65年
混乱が一応の結論を得て「真の武者の世」が始まる事になる大転換点

まずは、ベースとして、後鳥羽院の人物
次に後鳥羽院の起こした承久の乱とは何だったのか、を話していきたいと思います。

多くは中公新書の「承久の乱」からの引用になります。
わざわざ、この第99首のために丸々一冊本を読んじゃいましたよ
たまたま本屋で手に取りましたが、2018年12月25日発行とあり、出来立てほやほやの本でした。
平成の譲位についてまで書いてありました。

後鳥羽院
身の程知らずのバカな事して、隠岐の島に島流しされちゃった人でしょ
そんなイメージを持たれている方もおられるかも

ビックリしましたね
じっくり調べると、まあすごい
何なんでしょ、この人

3歳で天皇になります。
1192年3月、紆余曲折を経て34年続いた後白河院の院政が、後白河の死去により終了
後鳥羽天皇が好きなこと出来るようになります。13歳。
19歳で譲位。息子で4歳の土御門天皇に譲ります。
19歳なのに4歳の息子がいるんですね。頑張り屋さんです。

3歳で天皇になって、4歳の天皇に譲る。
はあ?と思いますが、そういう時代なんですね。
院政真っ盛りの時なので、天皇には全く魅力を感じていない。
早く譲って上皇になるぞ。

白河、鳥羽、後白河と続いて来た院政の強大な権力が
後鳥羽に引き継がれます。
覚えやすいですね。

超ワンマン体制が始まります。

スーパーマルチ
色んな政治改革も行ったりして
だらけ切ったお公家さんたちをピリッとさせます。

この人のすごいのは、政治面以外でも、スーパーマルチな才能を持っていたということ
本の表現で言うと「文化の巨人」
百人一首シリーズでも、何人かスーパーマルチな才能を持った人を紹介しましたが
レベルが全く違います。

まずはやはりここから。
短歌。

定家のお父さん俊成に師事して以降、メキメキと上達
他の分野もそうだけど、この人の上達の速度は並外れています。

かなりの量を創作しています
それぞれの作品の良し悪しは主観によって分かれるんでしょうが
後の世の専門家達からは総じてかなりの好評価のようです。

同時期の三人の巨人
鎌倉幕府の第三代将軍、源実朝

言わずと知れた、藤原定家

と、比べると

源実朝は、この当時の本流、本歌取りという手法を超え、極めてユニークな作風
藤原定家は、本流を極め抜いた、ギラギラコテコテの技巧満載
後鳥羽院は、両方の良いところを合わせ持ち、おおらかでありつつ、きっちりと本流の本格派。

本人の創作もさることながら、
短歌界への貢献が桁違い

歌合わせという歌合戦も至上最大規模
なんと「千五百番歌合わせ」
三十人の歌人に百種ずつ詠んでね

あくび出るでしょうね
最初の頃のと同じの出しても分からないでしょう。

新古今集という和歌集を数名の一流歌人に編纂させる。
任せきれず口出ししたくなっちゃって、定家と色々あったのはこちらを見てね
[百人一首]97 来ぬ人を 藤原定家本人の歌

次に、音楽。
琵琶の名手です。
上皇の道楽というレベルではありません。
「石上流泉」という秘曲を伝授されるまでになり
さらに、「上原石上流泉」「楊真操」
いよいよ最秘曲「啄木」
あれっ、聞いたことあるぞ、その名前。
調べてみるとやっぱり
あの、蝉丸しか弾けなかったあの秘曲中の秘曲じゃありませんか
[百人一首]10 これやこの。出たっ蝉丸

次に、漢詩

そして、蹴鞠

さらに、武芸

刀剣の製作にも意欲を燃やし
自分の作った剣には「菊の紋」を入れた
以来、その紋は、天皇家の紋となる

全て自らが競技者としてチャンピオンのレベルであり
ルールを明確にするなどの、それぞれの普及を強く推進していく。

超ワンマンでありながらも、遊び心も持ち合わせていた。
水無瀬殿という都から程よい場所にあるところで色んな遊びをするんだけど
そこではあるルールがあった

殿上人の平常服である水干に統一
身分の差を外して楽しみましょうと、自分も水干を着た

さあ、こんな人となりの後鳥羽院が
どういう理由で、承久の乱を起こしたのか
そして失敗したのか

次回は、承久の乱を中心に話を進めていきます。

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スプレーマム スプーン咲き

花カレンダー始めました

国立天文台に行ってきました。続き

国立天文台に行ってきました。
の続きです。

太陽系ウォーク
さっきの小さなドームから、国立天文台内で一番大きなドームに向かう道は、太陽系ウォークと呼ばれています。

意味が分かりました。

まず、太陽のパネルがあって

次に、水星

その距離に比例した場所に、それぞれ
水金地火木土
どーんと離れたところに土星があって初めて趣旨が理解できました。

私も色々ウォーキングはして参りましたけど
この太陽系ウォークほどスケールのでかいウォーキングは始めてです。
何せ太陽から土星まで

ふと横を見ると
あらら、こりゃまた面白い
金木犀(キンモクセイ)


金星と木星を掛け合わせると、こんなふうになるんですね

天文台歴史館

でっかいドームにやってまいりました。
ここにもおじさんが
ラッキー

ここでもいっぱい話し込むことになります。


写真ではなかなか伝わらないかも知れませんが
どでかい望遠鏡には荘厳さを感じます。

望遠鏡は、反射式(反射鏡)と屈折式(レンズ)があるんですが
その話で盛り上がっちゃいました。

その辺の話は、歴史の方からやりましたんで。
国友藤兵衛が反射式で、
岩崎善兵衛が屈折式ね
岩崎善兵衛はそもそもが眼鏡屋でしたから
岩崎善兵衛はこちら
めがね屋善兵衛の名が星になる

今は世界的に、大きな望遠鏡は反射式で
屈折式なら世界トップクラスの65cm
でも、今は現役を退いていて
国立天文台としては、岡山と、ハワイにどでかい望遠鏡を持っているらしい。
ハワイにあるのは、すばるという名の電波式というタイプの望遠鏡

じゃあ、今はこのタイプの望遠鏡は電波式に取って変わられたということですか?

いえ、電波式は光の波長のもうひとつ外側の波長を捉えるものです
前にチリやガスの塊があっても奥まで分かりやすいというメリットがあります。

じゃあ、色は分からないって事ですね

色というのをどうとらえるかですが
我々が目で見ているのだけを色と言うならば、色は分かりませんが
電波式が捉える電波も広範囲の波長なので
便宜的にここからここまでは何色として表現みたいなことをして色を付けます。

良く星雲の写真とかできれいな色が付いているのは
色を付けているからです。

他にも色々教えてもらったんですが
長くなりますので、ボコッと割愛しますね

面白かったのが
望遠鏡は対象を捉えるために色々角度を変えますが
そうすると覗く方の場所もあっちこっちに動く。
これだけ大きいと覗く場所が上下して届かない
その都度脚立を持ってきたりするのは大変で
おそらく首が疲れるから
床自体が芝居の舞台のセリのように上下する
床の下の装置も見れます。こんな感じ

そのあと、この床下の方に行くんですが
こちらの階には、歴史的な資料も一部展示してありました。

今は、長久保赤水(せきすい)さんの色んな業績
この人、名前を知らなかったんですが、すごい人です。

伊能忠敬の40年前に、日本地図を作った人
それまでに部分的にあった色んな地図を地図をかき集め
さらに、渋川春海とかが残した計算データから計算し直して
なんと測量をせずに、20年以上の歳月をかけ、完成

日本地図を幕府の許可を得て販売
大ヒット。
改訂5回。
庶民にも行き渡ります。

40年後、伊能忠敬の地図にとって変わられたんだと思いますよね
違うんです。
明治維新まで日本地図と言えば、この赤水図の事

伊能忠敬の地図はあまりの精緻さに、幕府は門外不出の重要機密とし
他には出さなかった。
諸藩がクーデターおこしても、こんな軍事機密を押さえてあれば作戦立て放題

だから、天文方の高橋景保がシーボルトに渡したら死刑になっちゃったんですね。

それ以外にも
出たっ、高橋至時

出たっ、岩崎善兵衛

出た出たっ、渋川春海

太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)
別名、アインシュタイン塔と名の付いている建物にも行きました

アインシュタイン塔と言うくらいですから
ここで、アインシュタインが寝泊まりしました。
嘘です。
一般相対性理論を証明するためにどうたらこうたらです。

ピンコン
おっと、次女からの呼び出しラインです。
まだ全体の半分も見ていませんが、待たせちゃ可哀想ですからね

展示室
来た道のと違う方を通りながら、戻っていますと
何々?展示室?

ちょっとだけ見てみましょうかね
ちょっとだけ

うわあ
参ったなこりゃ
さっきのすばるとかの最新式電波望遠鏡の説明とか
いろんなものが
そりゃそうだわね
ちょこっと合間の時間に見学出来るようなものではございませんね
とりあえず、写真だけ撮っておいて
イベントとかある日に改めて来ることにいたしましょう。



あっそうそう
最初のおじさんからの情報です。
1/6に部分日食があるそうです。
その日、黒い下敷きとかで、太陽を見るのも楽しいかも

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ


キンモクセイ

花カレンダー始めました

国立天文台に行ってきました。

(12/23のことになります)

次女が運転免許の更新です。
ペーパードライバーで運転できないため
府中の運転免許試験所まで車で送っていくことになりました。

せっかくですから、待っている間、近くをウォーキングしたいですね
待っている間だけだから、一ヶ所だけ。
Google Map を見ると
あらあらそうだったの?
先週行った、武蔵野公園のすぐ横じゃありませんか。
じゃあ、雨が降りだして行けなかった、さらに横の野川公園?
とも思ったのですが
車で行くわけですから、もうちょっと先までも行けないわけじゃない。

Google Map を見ていると、国立天文台というのがありました。
こんなところに天文台があるのか
宇宙好きにはたまらないでしょうね
宇宙は全然分からないから、私なんぞが行ったら、失礼に当たるかな

とか思いつつ
ホームページをチラチラ見ていくと
過去のイベントで、間重富とか高橋至時に関わる展示をやったみたい
はいはい、天文台ですから
渋川春海からの一連の「江戸の理系力」シリーズの面々のゆかりではあるわけです。
今、その資料を展示していてくれそうにはなかったけど
どうせ、それほど時間があるわけでもない

たまには、こんな私と全く畑違いのところに行ってみるのも面白いんじゃなかろうか

次女に、
迎えに行く時間が分かったらラインしてね

国立天文台
来ました来ました。わあー、かっこいい門の文字

全くの門外漢としては、こういうミーハー的楽しみ方をすることにいたしましょう。

この記事を、宇宙好きのちゃんとした人が読まれたとしたら、
最初に謝っておきます。ごめんなさい。

門で、案内所に行ってサイン
閑散としていて一般見学者は私ひとり
いろんなイベントやっていて、
その時は、宇宙の3D映画とか、貴重ななんとかの特別公開とか
そんなときは、宇宙好きの人たちがわんさか集まるんでしょうが
何のイベントもない今日は誰ひとりおりません。
こんな、ビジターシールを貼ってくださいと。
かっこいいです

宇宙人になった気がします。

森です。
ウォーキング的に言うと、これは森林公園としても上級です。


第一赤道儀室
一番古くて小さな、天体観察の場所

入口の横に音声ガイドをスマホで聞けます、みたいなのが書いてありました。
何とかやってみようとああでもないこうでもない
結論的には、音声ガイドにログインするに至らなかったんですが
そんな風に手間取っていると、
中から、カリカリカリ

おっと中に人がいるのか

入ってみると、スタッフの人がいました。

数々博物館に行っていますが
これは特別面白かった、といういくつかの博物館は
何を展示してあるかということより
ポイントはおじさん
その分野が好きで好きでたまらないっておじさんが
無茶苦茶楽しそうに喋ってくれる博物館
閑そうであればあるほど良い

ひょっとして

話しかけてみました。
ここは撮影しても大丈夫ですか

大体このワードから入ります。

結論から言うと大当たりでした。
無茶苦茶楽しかった。

おじさんを乗せるには、コツがあります。
ちゃんと、自分は全くの素人であることを最初に告げること
大袈裟にビックリし、はしゃぐこと
これは、意識しなくても私の場合、自然とそうなります。
ええっ
どういうことですか
それってすごくないですか

おじさん止まらなくなります。

ここの望遠鏡は、太陽の黒点を観察するためのもので
ずうーっと、おそらく100年以上、黒点を観察し続けて
今は、現役引退して展示用
今も、黒点は見えるらしいんですが
残念ながら、今日は曇りで、太陽自体が見えません。

太陽は動くので、望遠鏡の先が同じ速度で向きを変える必要があります。
その仕組みがとても面白い
電気じゃないんです。
昔は停電がしょっちゅうあったので
電気を使っちゃうと、停電の時に計算し直してセットし直すのが大変。
重りを人の手で15分おきに巻き上げ、それが落ちる動力で歯車が回る
さっきのカリカリカリは、重りを巻き上げている音

望遠鏡の先のところだけパカッと空いているドームの屋根も
回転して向きを変えられる
それも、人が手動で変える
実演してくれたのを動画で撮りましたのでよろしかったら見てください

黒点なんて言葉でそんなのがあるって知っているだけだから
素人の質問をどんどんあびせます。
それって何ですのん
嘘!周期的に増えたり減ったりするんですか
えっ、11年?そりゃまた不思議ですね


黒点いっぱいあると寒くなるんですか
結局、黒点の増減周期とその影響は
今だに解明されていないそうなんです。

それって、研究して何か意味があるんですか

いかん
いらん質問をしてしまいました。

でもここからさらに盛り上がりましたね
研究というものの本質的な話です

私だって
はっきりいって世の中のためには全くならんだろうと思われる事を毎日ブログに書いて
はや4年間

世の中に大きく役立つ研究は勿論立派だけど
基礎研究って、これいつか役立つ日が来るのかなぁ
来ないかも知れんなあ、というものばかりらしい

でも、役立つかどうかだけが重要じゃない気がする

目の前に分からないことがある訳です。
そりゃ知りたくなりますよねぇ
いいですやん、それで。

おっと、まだひとつ目だけでこんなに取っちゃいました。
残りは明日に回しましょう。

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ


ケヤキ

花カレンダー始めました