[名僧]井上円了。仏教は哲学だ

名僧シリーズ
明治に入っていっています。

前回、前々回で廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の話をしました。
[名僧]明治の廃仏毀釈で寺が絶滅?
[名僧]明治の廃仏毀釈の続き

江戸時代に、檀家制度で国民全員仏教徒となり、仏教は国教化
でも実態は、布教活動の禁止など骨抜き状態

明治になって一転
仏教は散々の目に会います
でも、その政策もうまくいったとは言えず、それほど長い期間は続かなかった。
なんとか乗りきります。

キリスト教もOKになり
仏教各宗派も布教活動をしても良くなった。

ついでに言うと、正式に僧は浄土真宗以外で妻帯が認められていない。
全ての宗派で結婚OKになります。
まあ、誰も守ってはいませんでしたけどね。

いきなり、競争社会になった仏教
鎌倉時代に戻ったとも言えます。
一からです。

よし、ちゃんと仏教というものを見つめ直そう
何人かの人が頑張ります。

そのうちの一人が、井上円了

井上円了
1858~1919年 真宗大谷派(東本願寺)出身

井上円了って、以前2017年の年末に中野区の哲学堂公園に行ったとき、お会いしたんですよね。
哲学堂を作ったのが井上円了
残念ながら、年末すぎてお休みだったので、いつか再度行くぞと思ってから今に至ります。
公園を歩くだけで哲学に浸れるそうなので期待大。

さらに、春日局の墓のある麟祥院(りんしょういん)に行ったときも井上円了の碑があった
二つも出会うと私の中ではもう有名人。

調べてみましょう。

越後で、真宗大谷派(東本願寺)の寺の息子として生まれます。
明治維新の時は10歳
その後、廃仏毀釈の大波が来るので危機感を持ち、猛勉強。
中国の古典や英語を中心に学びます。
その知識を活かして、出来立ての学校なるものの教師になります。

さらに明治10年、20歳の時に、京都へ出て、東本願寺の作った教師学校へ入学。

この時の授業は既に円了にしてみれば物足りないものだったので
東本願寺の募集した、国内留学生というものに応募
入ったのは、東京のこれまた出来立ての東京大学でした。
学費は東本願寺が出してくれます。

なんといっても東京大学
そうそうたる教授陣
最高の学問を追及していきます。
その中でも、のめり込んだのが哲学でした。

哲学なんてものは、それまでの日本には概念すらなかった。
哲学に関する書物は日本には東京大学以外には一冊も無く
東京大学にある書物も日本語のものはひとつもありません。

自分を含めた数人しか知らない、この哲学なる学問
私が世の中に広めなきゃだめでしょう。

東京大学卒業の時
卒業後東本願寺の作った学校の教師になる約束で学費も出してもらった
戻らないとだめなんだけど
一生懸命、東本願寺を説得

私には天から与えられた使命があると分かったんです。

これからの日本に技術は必要でしょう
だが、その基礎に哲学がなければ日本は破滅します。
哲学を学んで分かったことがあります。
私達が慣れ親しんだ仏教の中にこそ哲学はある

卒業2年後、明治20年。30歳にして哲学館という学校を設立します。
30歳で学校設立。ただもんじゃありません。
これが後の東洋大学に発展します。

この場所こそが、先程話した、麟祥院の場所ということです。

書くは書くは
自分で哲学に関する本を実に180冊
日本語で書かれた哲学の本は全部井上円了が書いた180冊だったということです。

名僧シリーズですから、仏教観点から言いますと
早い話が哲学と仏教は一緒
西洋の哲学と東洋の仏教はどういうふうに一緒なのかを理論付けていきます。
物と心とを分けず、ありのままの現実こそが絶対だとする見方
例えば般若心経に『色即是空、空即是色』と書かれているのだと

元気の無くなっていた仏教界を元気付け
多くの議論を生んで、
ここから仏教も理論を伴って再出発だっ

妖怪博士
もうひとつ、円了がのめり込んでいったのが「妖怪」
何でも分類し理論付けちゃうのが大得意な円了先生

古くから全国で伝えられている妖怪の数々

例えば、山道を一人で歩くとキツネに化かされるとか、神隠しに遭うといったこと
単純に迷信だと切り捨てるのではなく
膨大な資料を集めつつ『妖怪学講義』という本にまとめていきます。
人の虚言に起因したり、偶然に起こった出来事を誤って妖怪と認識したりすることを明確にします。

子供たちにも大人気となり、おばけ先生とか妖怪博士と呼ばれるようになります。

講演
47歳で哲学館大学長を辞任
一介の教育者となった円了は、全国各地を回り講演を行ないます。
思いっきり本も書いて、大学で教育もして
それで良さそうなもんですが
彼にしてみると、そんなんじゃなくて、一般のみんなに分かりやすく自分の言葉で伝えなきゃ、それは嘘
なんでしょう。

記録が残る死去前年までのわずか13年間に、全国の市町村の約6割を回り、
5291回もの講演を行っています。

鉄道も道路も発達していない時代状況を考えると驚異的な数字だと言えます。

さらに、「講義録」の郵送により自宅学習できるという現在の通信教育にあたるシステムも開発
伝えたい、という情熱はけた違いです。

[名僧]シリーズはこちら(少し下げてね)

[名僧]井上円了。仏教は哲学だ」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: [名僧]村上専精。仏教を統一しましょう。 | でーこんのあちこちコラム

  2. ピンバック: クレーマーが歩く哲学堂公園 | でーこんのあちこちコラム

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