[神社]伊勢。斎宮の悲恋物語

[神社]伊勢。ここが良いわ。
の続きです。

斎宮(さいぐう)
とても不思議な制度があり、斎宮と言います。
天皇の娘が、伊勢神宮の神様(天照大御神)のお側に、常時控え
神様にお仕えする
常設の専任担当者
松坂市と伊勢市にはさまれた多気郡明和町には
斎宮の居住した宮殿と、その役所である斎宮寮の跡が残されています。

とても、重要な役割なので、ほんの少しも「穢れ」のない清らかな身心でなければならない。
お酒や肉は一切駄目なんだけど、さらに
恋愛禁止

恋愛が穢れだという発想が理解に苦しみますが
万が一妊娠し、出産なんてしようものなら、血を伴います。
血は穢れているのだと。

はあ?
母親の出産によらずして産まれた人はただのひとりもいなんですけどね

確かに神様は、
例えば天照大御神はイザナギノミコト(男性)が左目を洗ったら、ポンと産まれたんですが

奈良時代までは、女性の天皇が多く
神様への儀式的な事は全てその女帝が行い、その期間は、斎宮は置かれなかった。
最初の斎宮は、天武天皇の娘の、大来皇女(おおくめのひめみこ)

称徳天皇を最後に女帝が長らくなくなると
斎宮が完全に制度化されます。

私が考えるに
皇室は、神道より仏教に大きくシフトするので
気持ち的にちょっとまずいかなと。

せっかく、古事記や日本書紀を作って、皇室は天照大御神からの直系です、と言っているのに
何かと言えば仏教

昔は、天皇と言えば、政治と神事が半々だったのに
神事のウェイトがグッと小さくなったので
大丈夫、専任の担当者を置いているからちゃんとしてるでしょ、って事かなと思います。

斎宮を置くことで、伊勢神宮へのお参りさえしなくなります。
持統天皇が最後で、そのあと、明治天皇まで、伊勢神宮へ天皇本人はお参りしていません。

持統天皇すら、伊勢神宮へお参りしようとしたら大反対にあったという訳の分からない状態

可哀想なのは、斎宮をやらされた天皇の娘たち
年頃の女性に恋愛禁止なんて辛すぎます。
昔のアイドルみたいです。

百人一首シリーズやっていると、やたらに出てくるんですよ。
その悲恋物語
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする

可哀想で泣けて泣けて

シリーズの次回は、伊勢神宮に特徴的な式年遷宮についてお話しします。

[神社]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です