[建武]2 私だって、考えちゃいますよ

[建武]1 後醍醐動く。役者が揃いました
の続きです。

幕府軍
後醍醐(ごだいご)天皇、護良(もりよし)親王を討つため、
足利高氏や新田義貞も参加している幕府軍

その後、楠木正成(くすのきまさしげ)が守る赤坂城へと向かいますが、
楠木正成は実に強かった。

でもたった500人ではさすがに1ヶ月が限度
もはやこれまで

赤坂城に火を放って自決
真っ黒焦げになっちゃいました。

よし、楠木正成も真っ黒ね
確認を終えて一件落着

のはずだった。

ところが、正成だと思われたのは影武者
本人はちゃっかり逃げ出しておりました。

そして今度は千早城で挙兵
不死鳥の如し
赤坂城の時が500人
今度の千早城が1000人です。

今度の千早城の戦いを制すべく再編成された幕府軍の中に新田義貞(にったよしさだ)がおりました。

ところが、戦の途中で新田義貞は急病にかかります。
致し方なく、故郷の上野(こうずけ)へと戻ります。

この事が、後に大きく影響してきます。

正成は、なぜこりもせず同じことを繰り返したのか
何十万を相手にして
500人が倍の1000人になったからといって勝てる訳がありません。

実はある情報を得ていたからです。
もうすぐ、もうひとりの不死鳥が立ち上がる

後醍醐天皇です。
こっそり隠岐の島を抜け出して
今の鳥取県の豪族、海運業を営んで大金持ちの名和長年(なわながとし)に
匿われていんです。

鳥取県の船上山(せんじょうさん)で、後醍醐天皇と名和長年が挙兵します

幕府軍はびっくり仰天
楠木正成にかまっている場合じゃありません。
大慌てで船上山に向かいます。

楠木正成とすると
ハイ、計算通り

鳥取県のお隣、島根の塩冶氏が、後醍醐天皇側に寝返ったりして
なんと「船上山の戦い」で、後醍醐天皇・名和長年軍が勝利してしまいます。

後醍醐天皇は、船上山に行宮(あんぐう)、つまり仮の御所を作り、
「これより、鎌倉幕府を討伐する」と綸旨を出し、
全国に向けて倒幕の呼びかけをします。

新田義貞
新田義貞と足利高氏に話を移しましょう
足利氏と新田氏は共に源氏で、元々同格の重要な名家です

ところが、源頼朝が挙兵したときの活躍で差が出て
足利氏は源氏の中で大幹部として重用されていくのに
新田氏の方は、だんだん没落していきます。

鎌倉時代も終わりの方になってくると差は歴然となり
足利氏は高い位をもらいますが
新田氏は無位無官のまま
とうとう、本来同格であったはずの足利氏の家来のような立ち回りになっていきます。

で、新田氏はどう考えたかというと
武士としての位や役職等で難しければ、経済だ
と金儲けに走ります。

所領の上野(こうずけ)で様々な改革を成し遂げ
かなり金持ちになっていきます。

さあ、船上山の戦いで負け、えらい事になっている幕府
体勢を建て直すため、先立つものを得ようと
お金持ちの新田義貞にイチャモンをつけます。

お前、大事なところで地元に帰ったよね
何してくれてんのよ
ペナルティね

と、いろんなものを没収です。

お金持ちとは言え、
コツコツ努力を重ねた結果であり
そもそも、戦に狩り出されたので、余裕がなくなっちゃっています。

元々、長年の冷遇で頭に来ています。

そんな事言ってくるんなら
私だって、考えちゃいますよ

足利高氏
一方の足利高氏
こっちは幕府の中では幹部です。

当然幕府軍の中では、中心的役割を担うはず

ところが、一度目の後醍醐天皇捕獲の戦いの直前で
お父さんが亡くなります。

喪に服さないといけませんので
今回ちょっとパスさせてください。

ちょっと待ってくれ、高氏さん
何のための幹部なのよ
あなたにそんな事されちゃうと、他に全く示しがつかないじゃないの

高氏としても
まあ言うことも間違っていないと、従います。

そして、船上山の戦い

今度こそえらい事なので
幕府は高氏に行きたくないと言わせないため先手を打ちます。

妻と長男の千寿王(せんじゅおう)を鎌倉に人質として送らせたのです。

何だとぉ
今度は嫌だなんて一言も言ってないよね
そんな態度取るんだ
今まで、信頼関係でやって来てたのになあ

私だって、考えちゃいますよ

続きはシリーズの次回ね
[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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