[首相]32-6 吉田茂。吉田学校の始まり。

[首相]32 吉田茂。嫌になったらいつでも投げ出す。
[首相]32-2 吉田茂。分かった。ひとりの日本人も、餓死させない
[首相]32-3 吉田茂。耕さないもの認めない
[首相]32-4 吉田茂。初めての選挙
[首相]32-5 吉田茂。あの人とあの人とあの人
の続きです。

佐藤栄作官房長官を中心に始まった第二次吉田内閣。
吉田の自由党は、少数与党なので、何をするにもすんなりと行かない。

できるだけ早く解散をしたいと考えていた。
自由党の数を増やしたいということに加え
自由党の中でも、基盤を作りたい。
党人嫌いの吉田としては、佐藤栄作のような官僚出身の人材で派閥を作ろうと考えた。

リストアップしてくれ

佐藤は各省の優秀な人材をリストアップし、政界への転身を説得して回った
前回名前を上げた、池田勇人や田中角栄もそのひとり

準備は整った、何とか解散へと持っていきたい。

その中で二つの事件が起きた。
ひとつはセクハラ事件
もうひとつは汚職事件

汚職事件では田中角栄が逮捕される。

大騒動になったので、早く解散をしたいと考えている吉田内閣としては大きな痛手
閣議で早々と田中角栄次官の辞任を決めた。

頭に来たのが田中本人。
逮捕されてしゅんとしていると思いきや、佐藤栄作に直談判にやって来た。

辞任は自分で決めること
私が辞表を書こうとしているのに、順番が違うじゃないか

決まった閣議を引っくり返すのは、無理だが
あまりの剣幕に、佐藤も

分かった、あなたの言うことも最もだ。
すぐに閣議決定を発表するのはストップして、月曜日に発表しよう
その前に辞表を提出してもらえると
追認した形になる

このあと無罪にはなるのだけど、この時期の田中にはやはり痛手だったと言える。

野党たちは、浮き足立つ
よし、ここで解散すれば

期せずして、吉田の考えた早期解散が現実に可能になった。

自由党の公認候補は、リストアップされた官僚たちがどーんと増えて
議員定数とほぼ同じくらいになってしまった。
でも、結果としてはこれが効を奏することになる

田中逮捕に関わらず、世論の中では、吉田茂人気がブームとなっていた。
GHQの言いなりにならないというイメージがブームを後押しした。

山口二区 佐藤栄作 当選確実
広島二区 池田勇人 当選確実

田中角栄も新潟で三位ながら当選。

自由党圧勝
自由党264 民主党69 社会党49

過半数の234名を大きく上回った。

まさかここまで勝つとは思っていなかったので
民主党の犬養健と連立の合意をしていた。
犬養健は、あの犬養毅の息子です。

状況が大きく変わったので、自由党では、単独内閣で行くべし、の声が大勢を占める
民主党内でも、意見が割れたが
吉田は当初の約束を守るべく動き
結局、民主党が割れて、犬養派が自由党に合流することになる

内閣では、池田勇人大蔵大臣が誕生
佐藤栄作は政調会長

大量当選を果たした官僚出身の若手が
後に吉田学校と言われる保守本流を形成していくことになります。

ただ

ここからの半年間、第三次吉田内閣は苦難の試練に耐えなければなりませんでした。
アメリカから、ジョセフ・モレル・ドッジがやって来るのです。

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