[北条]3 北条泰時。激動から安定へ。御成敗式目でどうだ

[源平 北条]16。鎌倉殿の13人
[源平 北条]2 頼家は、泥の中に咲く蓮の花の如し
[源平 北条]3 頼家から実朝へ。時政から義時へ。
[源平 北条]4 源実朝。この船に乗れたら。
の続きです。

続きではありますが、このあとは、源氏としては源実朝をもって断絶し
将軍よりも補佐役の執権(北条氏)の方が重要になりますので
タイトル前部は[北条]、そのあとの数字は執権の歴代の数と致します。

ということで、執権としては初代時政、2代義時までお話ししましたので
3代泰時からになります。

北条泰時
執権3代、在位1224~1242

2代義時は、お父さんの時政とお姉さんの政子と共に、
北条氏を他の本来同列であるはずの御家人の中で、圧倒的優位に立つため
ライバルをことごとく蹴落とし、殺しまくる激動の時代。
後半は、義時の息子泰時もその中心に立ちます。
さらに、承久の乱。朝廷が壊滅。こりゃ大変

さらに言うと、北条氏と一言で言っても家系図にあるように、
兄弟が分かれていく中で広がっていくんですが
義時を最初とする直系の本家を「得宗(とくそう)」と呼び
その得宗家が圧倒的な権力を握ります。

歴代執権としては、得宗家以外にもちょこちょこ渡るのですが
得宗家以外の時の執権はほとんど何もしておりませんので
日本史の世界では、得宗家の執権だけ覚えれば良いよ、ってことになっているようです。
1,2,3,(4),5,8,9,14です。(4の経時もいまいち)
全員「時」の字がついています。

ようやく激動期が一段落しました。
このあとの関心事はこの得宗家圧倒的優位な状況を継続し
どう安定させていくか。

義時が亡くなったあと、残された北条政子と大江広元は、
泰時と、その叔父さん時房を指名します。

二人で頑張りなさい。
やはり泰時ひとりでは荷が重いと思ったのでしょう。

序列はつけていませんでしたが、完全に同列というのもトラブルの元ですし

ジャンケンしますか
と言ったかどうかは分かりませんが
泰時がメインで、時房が連署という名前になります。

全国的にはまだまだ安定と言えない訳で
そこここでトラブル続出
そんなときに「裁定」してくれ、その結論に両者納得できるってことが
何回か続けば
さすがは得宗の執権だ
何かあったらあそこに持ち込もうとなるわけです。

それがうまく行かなければ、結局は自分達で武力による解決をする必要があり
激動期に逆戻り

泰時は、一生懸命勉強しながら、
持ち込まれた一つ一つのトラブル案件に頑張って対応します。

基準になるのは「先例」
そんなのは先例が有りませんし、というやつ
特に日本人はこれすごく納得します。

でも、膨大に資料を当たらないといけないので大変
どっかに裁定基準はないんかいな

有りますよ。律令制度

えっ。そんな昔の。
しかも漢字ばっかり

まあ、仮名がまだ有りませんでしたし。

そんなの、ここに書いてありますから、あんたの方が負け、って
誰が納得するのよ。
ええい、分かった。
律令制度と、先例いっぱいを調べて私がまとめ直すとしましょう。

泰時頑張る。

出来たっ「御成敗式目」っちゅう名前にしましょう。
全51ヶ条

「先例」に加えてもうひとつの考え方を取り入れた。
「道理」
親は敬うべし、年長者は敬うべし、主君には従うべし
というような、誰が聞いても納得するだろうという事を
明文化して、基準として採用。

一番役に立ったのは第8条の知行年期法って規定
20年以上継続して土地を事実上支配していれば、
経緯や理由に関わらず知行権を認められる

現在の民法では占有権です。

これは楽です。
20年も前の事について、その支配が正しかったのか間違っていたのか調べなくて良い。

この51ヶ条、とても良くできていたようで
室町時代に入っても、建武式目等々、色んな法律ができるんだけど
全部、御成敗式目を前提に、その追加修正版。

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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