[源平]12 首ねぢ切つて捨ててんげり

[源平]1 武士の始まり
[源平]2 八幡太郎義家ここにあり
[源平]3 どっちにつこうかプレゼント大作戦
[源平]4 保元の乱(源平編)
[源平]5 平治の乱
[源平]6 平清盛快進撃
[源平]7 平清盛。おごれるものは
[源平]8 神戸に都を?
[源平]9 源頼朝、立つ
[源平]10 勝利のあとの惨敗
[源平]11 何で勝っちゃったの?
の続きです。

倶利伽羅峠(くりからとうげ)の戦い
木曽義仲が平家と対峙した倶利伽羅峠(くりからとうげ)の戦い
昼間は小競り合いで時間を稼ぎ、辺りが暗くなり始めた頃に一気に突入

えっ、もう明日にするもんだと思っていた、と平家軍は大慌て

牛の角に火をつけて放ちます
牛は大パニック、平家軍も大パニックで、崖から落っこちていきます。

勢いに乗った木曽義仲。その後の戦いでも快進撃
北陸を制し切り、いよいよ京都へ
比叡山をも味方につけます。

押し出された平家は都落ち。
安徳天皇や建礼門院(平徳子)、後白河法皇を奉じ、三種の神器も持ち出して
西海で再起を図ろうと考えます。
ところが、後白河法皇は、ちょっと目を離した好きに逃げ出し
比叡山に逃げ込みました。

よっしゃあ、と後白河法皇
ずっと平家に捕らえられていましたが、やっと自由に

木曽義仲さんと言いましたか
ようこそいらっしゃい、手を組みましょう。

ただ、そう言いながらも、内心では様子見
平家を追い出してくれたのはありがたいけど
さあ果たして手を組むに値するものなのか

一方の木曽義仲は大はしゃぎ
山育ちで素朴そのもの
空気を読むなどという難しいことは到底無理
がさつな田舎者なので
お公家さんたちは、なぜあんなのが大きな顔をしてるのよ

頼朝は、先を越された格好だけど
全然余裕。
ゆっくり様子を見てからアクションを起こしましょう

ということなので、この時期は、バランスの取れた勢力図になります。

義経
少し前、頼朝の元に弟の義経が訪ねて来ます。

おお、大きゅうなって

平治の乱のあと、頼朝は伊豆に流され
幼かった義経は鞍馬寺へ
出家する約束でしたが、素直に守るような性格ではありません。

頼朝は少なくともこの時点では、大感激

源平の合戦って、頼朝自身はほとんど何もしていなくて
鎌倉にどっしり構えたまま
弟の範頼(のりより)と義経に色々やらせています。

後白河法皇は、木曽義仲に、
いつになったら平家を滅ぼしてくれるの?
息を吹替して来ているんだけど

仕方なく義仲は西国へ向かい
その隙に、後白河法皇は、頼朝と連絡を取り合います。

知った義仲は激怒
こうなったらクーデターだ
後白河法皇と後鳥羽天皇を幽閉し、朝廷の実権を掌握
何と、平家と和解して手を組もうとします。
元々義仲は平家に恨みがある訳じゃない。
むしろ気に入らないのは頼朝

いよいよ出番
頼朝動く。
とはいえ、自分じゃなく
範頼と義経へ、行けえっ

巴御前
宇治川の戦いで激突、義仲はほんの数人ほどにまで減ってしまいます。
その中では、女武将、巴御前(ともえごぜん)もいた。

義仲の幼馴染みで、あらゆる武術の練習相手だった。
怪力の持ち主で、義仲と喧嘩したとき
頭に来た巴御前は、義仲の乗った馬ごと放り投げた。

倶利伽羅峠の戦い以降、ずっと大活躍だった。
巴御前自身は、最後まで御一緒したいと。

義仲は、巴に告げる
最後まで女を連れていたとなると、この義仲のなおれじゃ。
ここを離れろ

そんな
私が一体、どんな思いでここまで来たのか

いや、お前にしかできない役割がある。
わしの生きざまを後世に伝えてくれ

目を見れば分かる
お互いの気持ち
もうそれ以上は言葉にならなかった。

最後のいくさして見せ奉らん
力持ちで名高い御田八郎師重の馬に強引に並べかけ
首ねぢ切つて捨ててんげり

そのまま、しっかりと前を向き、
振り返るまい、振り返るまい、と自分に言い聞かせて離れていった。

残った義仲と、ずっと兄弟のように育ってきた兼平
死に場所を探す。
でも、義仲は自害さえかなわなかった。
顔を矢で射られて絶命。

日本一の剛の者の自害する手本を見よ
兼平は、刀をくわえ、馬からまっ逆さまに落ちて
体を刺し抜かれて死んだ。

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

[源平]12 首ねぢ切つて捨ててんげり」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: [源平]13 一頭死んでますけどーーっ | でーこんのあちこちコラム

  2. ピンバック: [源平]14 屋島の戦い、やんややんやの大喝采 | でーこんのあちこちコラム

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